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アイテム詳細

河合 隼雄
村上 春樹

岩波書店

グループ:Book

ランキング:320887

価格:¥ 1,470

発売日:1996-12

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カスタマーレビュー

対談っておもしろいなあと思えた一冊  (2008-04-15)
村上春樹さんというひとはおもしろいひとで、車はきらい、と言ったかと思うと、イタリアの車を買ってうきうき運転をするし、日本の対談ってほんとにつまらないと言ったあと、こうして対談しています(笑。矛盾したひとだといいたいわけではなく、村上さんはご自分の行動に対して根拠ある説明があるかたなので、どうして考えが変わったのか興味深くて本を手にしました。
私はこの対談によって、村上春樹というひとは日本とその文化にコミットをしようと
ようやく意識し始めたのではないかと思っています。それまで村上さんは日本という国に対してそれほど愛着がなく、むしろ外国に興味があったと思うのです。しかし、この対談が変えた。そのきっかけを与えたのが河合さんだったのだと思うのです。河合さんは、村上さんにとって日本の偉大なる父のような象徴だったのではないかと思います。村上さんのその後の作品に河合さんは大きな影響を与えているように思いました。

それぞれの単著が読みたくなる  (2007-10-18)

 村上春樹と河合隼雄の対談集。
 京都で二日間行われたものをほとんど手を入れずに収録しているということだが、作家が作品を作るというプロセスと、心理療法家が療法をする際の視点の「共通軸」を掘り下げながら、欧州、米国、日本の個人の捉え方についての比較文化論も交えて話が進む。

 ・・・という内容は、まあ、読んでみたらわかることなのだけれど、僕にとっては、芸術がおよそ芸術である為に必要な事項、というものを再認識する上でとても役立った。
 村上春樹の創作の仕方や井戸についての話はよく理解できる(この理解できる、というのは曲者であって、厳密には理解したつもりになっている、ということなのだが)し、河合氏の箱庭療法についての挿話などは、ライフコーチングでの類似の場面を思い出したりして、とても興味深い。

 途中で出てくる源氏物語における霊の現実性と現代における霊の装置性の対比や、現代において装置として登場するそれらのものは、ある時点で装置を超えざるを得ず、超えて初めて芸術足り得るという河合氏の見解は簡潔にして、的を射ていると感じる。

 恐らく、この対談集から何を読み取るか、ということは人それぞれだろう。
 惜しむらくはフッターノートに書かれているコメントに今一歩の深さが欲しいことで、これは恐らく校正の時間や、発表媒体の性質に拠るものだとは思うが、勝手ながら、それぞれの深い見解をもっと聞いてみたかった、という気もする。

村上さんの小説をもっと深く知りたいという方にもお薦めできます。  (2007-10-03)
 村上氏がアメリカで長編「ねじまき鳥クロニクル」を書き上げ、日本で地下鉄サリン事件を題材としたノンフィクションアンダーグランドを準備している間、2日間にわたり京都で行われた対談です。

 この本は、多岐にわたり、思いついたことをどんどん話していっているのですが、「ねじまき鳥クロニクル」についての意味、考察などにも触れている。村上さんの小説をもっと深く知りたいという方にもお薦めできます。

この場を借りて失礼します。  (2007-08-17)
お互いすでにかなり各自の思考・経験の限りを尽くした上でのプロ同士の対談、といった印象でした。読者が共感できる部分は限りなく深く濃く示唆的であり、時には啓示的といってもよいかもしれない言葉が次々と紡ぎ出されてきます。一方で直感的にわかりづらい部分は読み進めるのに難渋するかもしれません。それほど両氏の経験・気付き・思考・表現・対話は深く高いレベルで行われており、一般書籍としてこのレベルの対話はそう見られないのではないか?と思わされます。村上春樹が単なるファンタジー作家でないのはすでに明らかですし、河合先生が一心理療法家に留まらず、日本人全体の精神性を表現しえた日本人のよき理解者であったことはもはや否定できない事実です。この二人が対話をしてくれていたことに一読者・一日本人として非常な喜びと感動を覚えました。河合先生、安らかにお眠りください。ありがとうございました。

自分の人生という物語を紡ぐためのヒントが語られている  (2007-07-14)
他にもたくさんの複合的な要素があると思うが、村上春樹さんは小説という媒体を使って自分を深めた人であり、河合隼雄さんはユング心理学を軸にした分析及び創作活動によって自分を深めた人である。その深化の過程で、客観的にではなく自分自身の問題として、日本人や人類にとって普遍的な領域に取り組んできた二人だからこそ、本書で語られている内容は驚くほど深い。

・(日本的)「個」の問題
・物語について
・コミットメント
・結婚観
・身体性
・個性と普遍性の関わりについて
・暴力性について

これらは対談で語られている主要なトピックだが、いずれも現代の日本人が遅かれ早かれ直面しなければならない問題ばかりである。他人に責任を帰するのではなく、これらの問題に一人ひとりが己の責任として取り組んで、自分だけの物語(人生)を紡ぎだしてゆかなければならない。その個人の物語が自分自身を、周りの人を、社会を、そして、(実感はわきにくいかもしれないが)地球をも癒していく。

意味を感じられる人生を渇望する全ての人にお勧めしたい。両氏の言葉から何かしら心揺り動かされ、この世に一つしか存在しない自分だけの物語が動きだすきっかけになると思う。