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岩波書店
グループ:Book
ランキング:163337
価格:¥ 1,680
ポイント:16 pt
発売日:1991-06
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カスタマーレビュー ![]()
中原を理解することは私を理解することだ。
(2006-12-08)
才能あるものは夭折する運命なのですね。
退廃的な美しさがある。
安っぽい恋愛小説を高いお金を出して読むより、
こちらのほうが余程、ロマンがあります。
大気に溶け込む中也Words
(2006-06-15)
通常詩というものは、一つ一つのセンテンスの中に豊富な形容詞や言い回しが、数珠つながりと化していて、そのテクニカルな連結方法や纏め方に、言葉自体以上の深みと魅力を感じるのだが、中原中也の詩集は、一つ一つの文その物にはこういった知恵の輪はほとんど無く、しかし1つの詩を読み終えると、その詩が世界観として映画のワンシーンのように視界に浮かび上がるような、そんな魅力がある。
だからまるで風景画。しかしゴッホのように荒々しい色使いではない。もしこれを詩としてではなく、何気なく友人知人の言葉として、もしくは街の広告の一部として耳にしていたら、その魅力に気づけていたかどうか?というほどの薄味で、静かに、寂しく、ぼんやりと、淡々と、喜怒哀楽しているのである。
ので、詩自体は子供でも十分に解せる会話文クラスの易しさで構成されているにも関わらず、精神的に落ち着いていなければ、これは中年・老年者にも理解不能な魅力であろう。詩人だなぁ、素敵だな、虚しいなぁと、きっと編者の大岡昇平もジンワリ感じていたろうに、共鳴可能な、心象美。
夏というのはあれほど盛んに情熱的な季節にも関わらず、そこに剥き出しの虚無を感じて呆然とする、きっとそういうことは誰にもあることだが、みんな祭りの最中に一々そんなことを口にしない。そういう微妙な心の違和感を、ピンポイントで疎通材料に提出するこのセンス、これはスゴイ鋭さです。
懐かしきもの みな去る
(2006-01-12)
この詩集の特徴は、未刊詩の選択にあると思います。
編者大岡昇平にとっての中也という存在が鮮明に表れていて、それ自体に感動を覚えます。
特に未刊詩集後半の編集は、大岡の中也への想いが語られているような、切なくも暖かいまなざしを感じます。
純粋な魂が苦しみぬく時に放つ光の、残酷さと底知れない美しさに焦点が当てられ、それを余す所なく捉えているこの岩波版は、全詩集とはまた違った魅力があるといえます。
生きることの哀しさ
(2003-09-29)
中原中也は、生きることのつらさ、はかなさ、哀しさ、そしてたまに愛しさを、類まれな表現力で詩に映しとっている。ときに大胆に、ときに繊細に、あるいは自由律で、あるいは五七調で。日常の淡々とした出来事の中に、彼は哀しさを拾い集めている。(本人は「悲しさ」を感じているのではなく、感じているその感情を名づけるとすれば「悲しさ」になる、というようなことを言っている)
さて、中也の解説は私ごときがやることではないのでこれくらいにしておき、ここでは岩波文庫版の特色を挙げておこうと思う。集英社文庫版に比べ、岩波版はとにかく収録している量が多い。ページ数も約二倍で文字も小さく、「山羊の歌」と「在りし日の歌」は全篇、後書きまで載っている。しかし、未刊詩篇は当然編者である大岡昇平により選ばれているので、集英社版に収録されているもののうちほんのいくつかがない。私の好きな「酒場にて」が未収録なのは個人的に残念である。それでもその圧倒的な量は集英社版とは比較にならない上に、短歌も初期時代のものと「温泉集」が収録されている。とりあえず作品をたくさん鑑賞したい方にはおすすめである。
解説は、中也のバイオグラフィーを追いながら書かれており、大岡昇平の「中原中也」を読んだことのある人には目新しくない。個人的には集英社版の新保祐司の方が興味深い解説だった。新潮文庫版もそのうち読んでみたい。

