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岩波書店
グループ:Book
ランキング:71665
価格:¥ 630
ポイント:6 pt
発売日:2007-02
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カスタマーレビュー ![]()
ちょっとロマン派は苦手なもんで星4つ
(2008-02-27)
「ハムレット」「リア王」の次はこの本ですか〜。やはり野島氏、期待を裏切りませんでした。
本文庫は、ド・クィンシー生前の最終版である改訂増補版を翻訳したものではなく、1821年の初版を翻
訳したものです。改訂増補版のほうが確かに整理されているが、初版のほうが文学的に優れている、とい
うことで野島氏は初版を選びました。訳者解説には選んだ理由を熱く滔々と書いております。また、その
選んだ理由がそのままこの本の優れたポイントの説明にもなっています。ちなみに、最近読んだラシーヌの
「ブリタニキュス/ベレニス」の解説に書いてあったことなのですが、あえて初版のテキストを採用したラシーヌ
全集が1999年に出版されたことを思い出しました。両者共に、十九世紀文献批判学の大前提である
「作家生前の、作家が目を通した最後の版」を底本とすることに異を唱えているわけですね。
内容について言うと、前半は少年期の思い出、阿片を用いるに到った過去の経緯を描き、後半は阿片
の快楽と苦痛について述べられています。19世紀は阿片の世紀とも言える世紀でした。アヘンはシャー
ロック・ホームズを虜にし、また、東アジア世界を破壊するきっかけとなったアヘン戦争も引き起こしました。
そして、アヘンが生み出した芸術作品がこの本、というわけです。
また、経済学者のシュンペーターの著書「経済学史」「経済分析の歴史」で、リカード派のエコノミストの
一人として彼を紹介しています。経済学における真理を語る人間を求めていたド・クィンシーが、1819年
にリカードの「経済学と課税の原理」(おそらく第二版)を読み、「汝こそ、その人なり!」とリカードに傾倒
するに到った経緯が、この本に描かれております。
驚くべき阿片の夢をつづる
(2004-10-07)
19世紀当時、ヴィクトリア作家としては驚くべき頽廃の記述であったことは間違いない。しかしながら、クゥインシーはボードレールがアシーシュの夢を記述したように、麻薬体験記としては、我々の知る限り最も詳細かつ正確、そして客観的に、さらには文学的に描かれた作品である。ボードレールに影響を少なからず与えた彼は、むしろ阿片を肯定的に捉えている感さえある。彼はその有効性を示してもいるのだ。当時の少ない情報のなかでは、まさに自身を実験台とするしかなかった。これは極めてウイリアム・バロウズと近いアプローチである。

