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アイテム詳細

池内 了

岩波書店

グループ:Book

ランキング:16027

価格:¥ 735

発売日:2008-04

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カスタマーレビュー

読みにくい本だが  (2008-09-15)
疑似科学を3つに分類し、複雑系について現時点での懐疑を提示したところはなかなか鋭いところを突いています。
ただ文章の最後まで読まないと主旨がわからないこと、やたら多い括弧内に著者の迷いが表れていてさらに意味が曖昧になるところが多く、正直言って読みにくい本でした。
ただし共感できる「迷い」も多いのも事実。文系の人には分かりにくいかもしれにいけれど。

雑感:感想ではなく要約のようなレビューが多いですね。

いろいろ批判はあれど、「入門」としては良書  (2008-08-16)
本書は高校生くらいなら十分に読める。特に理系の高校生にはぜひ読んで欲しい。将来への期待を込めて…
一方、未だに血液型や占星術、果ては名前の画数で他人を判断する(単なる雑談や会話の切り口なら問題ないと思うが)人々には、危機感を持って読んで欲しい。

読んで一番思ったのは、疑似科学が金になるだけでなく、権力をも自在にコントロールし得るということ。
例えば、『不都合な真実』。地球温暖化を世間に訴え、大ベストセラーとなり、ノーベル賞にまで至った。その後、『「不都合な真実」の不都合な真実』なるアンチ本まで出て話題となった。
しかし、ゴアが訴えた「温室効果ガスの増加が地球温暖化を招いている」という主張は、科学的根拠がない(ないというのは、相関関係はあるが、因果関係は未だ見出だせていないということ)から、今温室効果ガス削減に向けて大規模に予算を組むのは果たして聡明な決断なのか、疑わざるを得ない。
だからといって、ブッシュみたいに「温暖化なんて知らんよ」(温室効果ガス排出と地球温暖化に因果関係はない、と決め付けている)と言い張るのも早急。つまり、どちらも極端なのだ。だからこそ、温室効果ガスを減らしたい諸先進国や環境保護団体、逆に減らすつもりはない米中印さんや重工業関係者は、どちらかの立場に立ち、あるいは先導し、政治的な影響力になる。両者ともに疑似科学の基盤に立っているにもかかわらず、だ。
本書では、このことを「複雑系ゆえの問題」と論じている。


要は、研究者としては当然の態度なのだが、「まずは疑ってみる」、「疑似相関ではないか考えてみる」、「反証可能性の有無を確かめる」などなど、基本的な態度がないがしろにされている、ということを筆者は熱く論じている。
研究者に限らず、この世に生きる上では欠かせないはずの「懐疑精神」、「批判精神」までもが薄れてきているらしい。
本書を通じて、少しでもその感覚を取り戻したい。

情報を受け取る側の頭の丈夫さが問われる時代  (2008-08-10)
「水からの伝言」が未だ学校現場で使われているという話を聞いて驚き、霊界系スピリテュアルが銭儲けの道具としてTVのゴールデンタイムになる国、ニッポン。
科学が世の中全ての事を解決することは有り得ない事を認識しつつ、科学を名乗り人を騙したり洗脳する行為は許されない。
ニセ科学、似非科学、トンデモ科学、超常科学等の色々な呼び名で語られる反証不可能な事項に関して著者(現総合研究大学院教授、1944生まれ)が疑似科学を3分類して説明する。すなわち、超能力、超科学系の所謂精神世界系のモノ、科学を装いながら科学的データを誤用、乱用するもの。そして3つ目が「複雑系」におけるグレーゾーンに属するような評価の難しいもの(地球温暖化の原因、BSEプリオン説、地震予知等々)。
また3つ目の疑似科学に関しては予防措置原則の応用(例えば地球温暖化の機序は種々言われ議論があるが、二酸化炭素が人的要因で増えているのは確かなのだから、二酸化炭素排出は減らす方向で努力するべきである)を述べる。
終章の「疑似科学の処方箋」がなかなか面白いというか最も重要なポイントではないかと思う。
1.疑似科学は廃れない
2.正しく疑う心
3.疑似科学を教える
4.予防措置原則の重要さ
5.科学者の見分け方
科学が全てを解決できる訳ではないという大前提を知った上でこの5項目を読まれるといかに現代社会が疑似科学に溢れ、メディアに左右され、時に本質を見失っているかが理解できるであろう。
メディアに露出度の高い科学者と名乗る人々がいかに物事を決めつけてYes/Noで話をするか。脳科学にしても新型インフルエンザにしても果たして本当に研究をしている学者がああも簡単に物事を言い切れるものなのか。メディア情報をテレビやネットを通して受け取る側の頭の丈夫さも問われている。

おじいさんの説教本  (2008-08-06)
他の方のレビューをみていて気がついたのは、この本を手に取る方はすでに理系の背景があり、懐疑的な精神をもっているということ。著者の目的は、理系知識のない方に注意を促したかったかったのだろうけど。文章や堅い出版社などから考えると、そういう方にアクセスするには難しそう。逆に理系の方に提供するには、「物足りない感」がぬぐえない。
著者の意見をサポートするデータが不足している。論理も飛躍しがち。読んでいて、なんともいえぬ不快な気持ちを感じてしまった。「説教臭さ」もあるけど、著者の性格が元来、意地悪なんだと思う。

いきすぎた健康ブーム批判する箇所を読むと
「健康ブームと同じで現代医療がひたすら長生きさせることに精をだしている…長生きしたいとは誰もが願うことであり、そのためになんでもしたいと思う…のは拒否できない…」
「しかし、何のための長生きか、つらつら考えてみることも必要だろう(テーマから逸れてしまったね。それに答えなんかあるのかなぁ?)」
「日本は世界一の長寿国だが、寝たきり率でも世界のトップである(これは著者が指摘している統計の罠にはまってしまったね。日本の寝たきり率が高いといわれるが、実際はそうでもない)」
「私は得がたい経験をした。「開発途上国の医療状況を改善したい」という熱意ある学生にあった(まったく文面から関係なくなってしまった)」

疑似科学を3種にわけて分類したのは、すばらしいことで、以後、疑似科学は著者のカテゴリーに分かれていくでしょう。そういう意味では参考文献として、後世に読む継がれていくのかもしれません。

分かりやすい  (2008-08-02)
疑似科学は3種に大別される。
第1種疑似科学・・心の揺らぎにつけ込む(占い、疑似宗教、カルトなど)
第2種疑似科学・・科学を援用、乱用、悪用して物的ビジネスに結びつける(健康関連物品など)
第3種疑似科学・・複雑系の問題を要素還元主義で解こうとこじつける(温暖化,BSEの異常プリオン、環境ホルモンなど)

典型的疑似科学である第1については、カール・ポパーの以下の3点で疑似科学の判断がつく。
○どうすれば反証が成立するかについての方法・手立てが提案されているか
○正しいと主張する側がまず立証責任を負うべきで、それをせずに疑問を持つ人に反証を求めない
○偶然生じたことを過大評価していないか

このほかプラシーボ効果とホーソン効果の違いや、疫学に求められている厳密性、伝染病として認定されるためのコッホ3原則(罹患者から同じ病原体が発見される。病原体の分離精製が可能。その病原体に他の個体を感染させれば、その個体から同じ病原体が見つかる。)など知識が増えました。

また、未来の予測不完全で判断のつきかねる問題には、人権と民主主義を重んじつつ、安全サイドにたって保守的な判断・行動を薦めてあります。

終章の科学者の見分け方もいい内容でした。