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角川書店
グループ:Book
ランキング:744
価格:¥ 580
ポイント:5 pt
発売日:2004-06
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魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章 (新潮文庫)
カスタマーレビュー ![]()
まっさらな自分になれる本。
(2008-07-24)
ソビエト学校に通っていた同級生に米原さんがその当時の回想を交えながら書いたエッセイ。
エッセイと言っても小説の様にドラマチックで米原さんの文章の上手さも際立っている本でした。
何故、アーニャが嘘をつかなければならなかったか、
そしてそれを真っ赤な真実として捉える米原さんの人間愛の深さに感動してしまいました。
私は政治のことは良く分かりませんが、それでも楽しく読めた本でした。
予備知識も要らないと思います。
友情や善意・過去の出来事を憎みそうになった時などに読んでみて下さい!
ぽろぽろそれらがはがれて、まっさらな自分になれるはずです。
政治に翻弄されながらも、それでも子供は育つ
(2008-06-27)
米原万里の人格形成史に色濃くある、現代社会主義政治史、中ソ論争、ハンガリー動乱、プラハの春、ベルリンの壁の崩壊、ソビエト連邦の解体の歴史を背景に、日本共産党を代表し世界の共産党連絡機関に勤務する父親とともにプラハの春前後のに在住した社会主義国体験を出発点とする物語です。
おしゃまな少女だった米原による、プラハのソビエト立学校で社会主義圏や各国共産党関係の子供たちと出会いぶつかり会った個性的な友だちの何処にでもいるおませな日常の風景と、友たちの個性の背景に隠れている国際共産主義運動内の各国共産党の序列と党内闘争、更に深くある各民族の歴史と宗教の理解が長い時を経て了解されていく過程が、スリリングに展開されていく。
それぞれの友たちが歴史に翻弄されながら幼年時の面影を残しあるいは残さず、激動を生き抜いた個人史が、米原万里により描かれる。
政治と距離を置くことが出来ない時代・空間に迷い込み翻弄されながらも、生きる残る人々の逞しさも垣間見える。
小説以上にエキサイティング
(2008-04-08)
在プラハ・ソビエト学校の同級生たちに、大人になった「マリ」が再会しに行く。すると、東欧の渦に巻き込まれて、彼女たちは少女の頃からは想像もつかないような人生を送ってこといるが明らかになる…。
「事実は小説よりも奇なり」ということばは、まさにこういったノンフィクションのためにあるのでは、と思わされる。東欧の激動の歴史と、それによって育まれた少女(女性)たちの個性、そして、在プラハ学校の中でもちょっと異質だった(だろう)日本から来た「マリ」と彼女たちの関係性。それらの一つひとつが、冷静かつ冷めすぎずあたたかい絶妙な筆致で描かれている。久しぶりに「次へ、次へ」とぐいぐい読まされる小説(ではないけれど)でした。
とても素敵な本です。
(2008-02-15)
語り口調がメインで話が進行するので、
東欧にさほど興味のない人でも読み進めることが出来ると思います。
もしも、地理が苦手な方でしたら
地図を用意するとより一層深く話を理解出来ると思います。
全ての章が名作で、本当に感動しました。
ただ、アーニャに対する批判はちょっと.....と思いました。
彼女のバックグランドを知れば、余計にそう思います。
チェコに限らず、外国人学校に通えるという事に関しては
いうまでもなく国力のある外国人の特権でしょう.....
国力がない国は外国人学校を作れませんものね。
それは、わたし程度の常識の持ち主でもわかるのだから
あれだけ聡明な彼女がわからないとは思えないのですが。
この些細な一点を除けば全て感動出来る作品です。
日本ではアメリカの情報は溢れ出る程ありますが、
東欧の情報はあまりありません。
専門書では取っ付きにくく読みにくい、
ガイドブックやムックでは情報が浅すぎる。
初版からやや時間は経っていますが、
東欧情勢を知るに語るにこの本は最適ではないかと思います。
絶版にする事が早い事で定評のある角川文庫から出ていますが、
いつまでも版を重ねてほしいと切に祈りたい。
名作です。
必読! でも本書のタイトルはなぜ、『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』なのか?
(2007-12-30)
周知のように本書に描かれた米原と3人の元同級生の再会は、96年に放映されたTV番組『世界・わが心の旅』(NHK)によって可能となったものだ。米原が旧友たちの消息を気にかけていたのは事実だろうし、だからこそ番組の企画も成立したに違いないが、当然ながら3人の元同級生の所在が確認された上で撮影班は出発しており、米原による探索行は実際にはなかった。また本書での米原と3人の印象的な対話の傍らではテレビマンユニオンのカメラが回っていたはずだが、本書に撮影班は登場しない(通訳は登場する)。
教条的な共産主義的言辞を愛好していた「嘘つきアーニャ」はルーマニアに帰国後、「赤い貴族」である父の計らいで一般民衆には不可能な国際結婚を果たし、今は英国で編集者として活躍している。自分の現在が何を踏み台にして可能であったかに無頓着なまま、「今の私の90%はイギリス人だ、民族なんかに拘るのは愚かだ」と嘯くアーニャに、米原はやり切れぬ怒りを抱く。しかし…
プラハのソビエト学校が、現地の人々の目には特権階級の学校と映っていたことに米原がショックを受ける場面が本書にあるが、そんなことは当然ではないか。米原も含め、その生徒たちの全員が、多少なりとも「アーニャ」なのだ。「真っ赤な真実」とはきっと、「共産主義国式の真実」って意味だよ。現地支局による手配も怠り無く、恐らくはNHK名物の大名行列のような撮影班を引き連れ、豊かな資本主義国で国内的に消費される感傷的なストーリーを撮り上げるために戦火の迫るユーゴにまでホクサイの版画を抱えてやって来た米原を前に、ヤスミンカの絶望が深まったのでなければいいのだが…

