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アイテム詳細

入江 昭

講談社

グループ:Book

ランキング:66643

価格:¥ 756

発売日:2005-10-19

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カスタマーレビュー

良書  (2008-03-04)
 長年アメリカの大学で教鞭をとってきた歴史学者の回想と思想の書物です。
 前半部分は著者の半生が事細かにつづられており非常に興味深いです。
 911にはほとんど触れられていませんが、現代社会についてのさまざまな考察が見られます。
 別にEHカーのようなスタイルを目指さしてはいませんがそれで構わないのではないでしょうか。
 歴史学を学び始めた人にもおすすめです!

この判型で出すべき本だったか!?  (2007-06-09)
シカゴ大学、ハーヴァード大学で国際関係史の教鞭をとった
研究者による、半自伝的歴史論。ちなみに、その筋では超が
つくほど尊敬を集めている研究者である。

もちろん、彼の戦時中の経験や、戦後まもなくの渡米と研究
生活など、興味の尽きないエピソードが散らばってはいる。
しかし、どれも描き具合が浅く、物足りない。レポートのよう
な感覚を受ける。

一言でいえば、この本は、残念ながら新書という形態にひきづ
られてしまっているのではないか。

せっかくこういった、価値あるテーマの本を書き下ろす
のであれば、部数は落ちたとしても、腹をくくって単行
本で出すのが潔いやり方だったのではと思ってしまう。
ツカ、文面の双方での「厚み」が欲しかったなあと。

四六判の単行本サイズで、分量をもっと確保できれば、
今より断然読み応えあって、面白いものになっただろう。

このタイトルと著者で新書で出すならば、カー『歴史とは
何か』(岩波新書)を凌がんことを目指すだけの気概が
ほしいと思ったのは、評者だけではあるまい。

以上をふまえつつ、かつ購入前の期待値対読後感を考えると、
辛目の点をつけたくなった。

歴史の新しい見方  (2007-02-11)
名を成した研究者の回想録に目がない私にとって、
戦後まもなく渡米され、国際的に活躍されたという
歴史学者の遍歴はそれだけでも興味深いのですが、
とりわけ恩師との出会いや、受けた指導に対する感謝
の念の記述が印象深かったです。

気軽に読めるサイズであり、特に難しい記述もないのですが、
学問に対する姿勢と、「歴史」というものに対する新しい見方
を教えてくれる本だと思います。

学ぶということ  (2006-01-20)
私は歴史には詳しくなく、よくわからないことも多かったのですが、
この本から学べたことがいくつかあります。
一つは、著者が「歴史」を学ぶにあたり、どのような言葉、どのような考えに影響を受けたか、ということ。
「歴史」に限らず、学問を学んでいる人間にとっては、腑に落ちることが多いと思います。
それと、「歴史」を探求することが、例えば数学で定理を証明するようなことと同じであること。
歴史とは、あくまで後の研究者の解釈がほとんどで、世界中で矛盾のない歴史を打ち立てるために歴史家が研究を進めている。
このことは、数学の定理を矛盾なく証明するようなプロセスに似ていると感じました。
人に「知識」を伝えていく、教えることのすばらしさが伝わってくる体験談を読み、自分の将来の姿を考えさせられました。

歴史学を志す次世代へのメッセージ  (2006-01-14)
入江さんはアメリカ歴史学会の要職も勤め上げ、絶えず未来を見つめた著作でつとに知られる。歴史学を志した自らの個人史を第一部におき、第二部では歴史学者としての足跡を振り返り、最後第三部で世界の同僚と切り開いた新しい歴史学の領域ともいえる多元的な地域史研究の意義を述べる。最後に歴史学を志す人のために読むべき基礎文献に適切な説明をつけて紹介している。新たな世界史の誕生過程の記録とも読めるまさに多元的な著作である。
本書で一貫しているのは、史的客観性を維持することの難しさである。今の日本で歴史問題で衆目の関心をひいているのは所謂「歴史認識」の問題であるが、この難問にも冷静な視点を提供している。歴史を変えることはできない、この実に素朴で必当然的な認識と歴史学が直面する多文化的なアプローチの意義を東アジア地域史研究の観点から実証的に語る。そしてそれを支えるのは、国家などではなく個人の交流がベースである、という確信には大いに共感する。個人の信頼なくして、相互信頼は形成し得ない。歴史を書くことは所詮個人的営為には違いないが、歴史学者が描く<歴史>には学会がその信憑性を絶えず<査読>によって検証して発表が可能になるのであり、素人が個人的な妄想をただ書き連ねたフィクションの世界とは異なる。
今世紀に入って日本の街角には戦争の痕跡としての傷痍軍人の姿を見ることはない、しかし、アメリカの街では見かけることが多い。この事実を踏まえて歴史的現実を精確に認識することの難しさを本書に読み取るべきであろう。情緒的な歴史記述は歴史を語りえないことを明かした1冊。