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Rudolf H¨oss
片岡 啓治

講談社

グループ:Book

ランキング:5725

価格:¥ 1,523

発売日:1999-08

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カスタマーレビュー

ただ任務に徹したSS隊員ヘス  (2008-08-11)
ヴィクトル・フランクルの「夜と霧」に続いて読んだ。
ルドルフ・ヘスという人物は、残虐非道なSS隊員というのが私の勝手なイメージであったが、これを読んで全く認識が変わった。
戦時下における虐殺なので、現在の平和な状況下では何を言っても的が外れているのかもしれないが、到底「罪を憎んで人を憎まず」の心境にはなれなかった。
ほんとにこいつらいったい何なんだ・・・

「大量虐殺」に必要な能力とは?  (2007-08-25)
100万を超える犠牲者を出したアウシュヴィッツ所長ヘスの手記です。ヘスのことを冷酷非道な人間、サディスティックな人間だと勘違いしている人が多いようです。
アウシュヴィッツで行われたのはガスによる大量ガス殺であり残忍に殺すわけではないのです。
刑務官が刑務所で死刑囚を殺すのと一緒です。
多くの人を殺すのですから効率よく処理していかなければなりません。
ガス室の設備の補給や整備、鉄道省・ゲシュタポとのやりとり、
巨大な軍需工場のあったアウシュヴィッツでは工場の生産性も重要な任務でした。
ユダヤ人の「所持品」の分別そして輸送なんてのもあります。
そういう様々な仕事の1つが「ガス殺」なのです。
仕事の1つにすぎないのです。
工場で様々な部品から製品を作り出すように、大量虐殺は行われたのです。
命令に従い任務を実直にまっとうし汚名を着せられ絞首台に消えた男、それがヘスです。
 決して狂気、狂った人間が行ったわけではなく、普通の人間が普通に仕事として行った結果がホロコーストです。
 ユダヤ人が殺された本当の理由も「食糧政策」が要因であることが歴史学者の研究により明らかになっています。
 食べ物が足りないから口減らしで殺したと…
ユダヤ民族はドイツ民族の敵だから根絶やしに… という理由では全くないのです。
 非常に微妙な問題のため未だ意見が割れておりますが、
ヒトラーがユダヤ人の絶滅を命令して「いない」のは多くの歴史学者が認めています。
命令が出ていなかったからこそ「あの程度の犠牲」(それで600万!です)で済んだというわけですが。
仮にその計画があれば勝利した後実行したでしょう。
ヒトラーは実際現実家で狂気とは無縁の人でしたし。
大量虐殺に狂気狂信残虐残忍は一切無用、実務能力のみがもっとも必要。これが真実。

狂気の中の平凡  (2006-07-04)
ナチスの狂気のユダヤ人大虐殺の大舞台となったアウシュヴィッツ収容所、そこの所長が淡々と自らが死刑になるまでを語った半生伝である。大量虐殺を推進してきた男と言えば血に飢えた狼のような残忍な人物を想像するが彼は家族を愛し、祖国を愛するごく平凡な男である。彼があまり罪の意識を感じておらず、むしろ誠実に国家に貢献したという念を抱き続けている点に恐怖の混じった違和感を感じる。戦争と言う狂気の中では彼の推進した殺人もごく平凡な事柄に過ぎない。戦勝国の立場から書かれがちなホロコーストを、当事国の中心人物から書いたこの作品は戦争の恐ろしさと愚かさ、そこから学んでいかなくてはならないものを、ありきたりな説教じみたスタイルを使わずして教えてくれる。

浪花節  (2006-01-14)
人間誰しもがそれぞれのドラマを持っている中で、
彼(ヘス)の生きた環境ほど、人に興味を覚えさせ
るものはないでしょう。

自伝が語られるとき、それが悲劇的かつ真摯な態度
であればあるほど、情に流されてしまう危険性があ
る。このアウトサイダー的、ロマン主義的運命論の
美学を、少しでも浪花節として読んでしまった自分
には、歴史を客観的にとらえる素養はないのだと思う。

何故この本が学術文庫におさめられているんでしょうか  (2005-06-10)
ナチス・ドイツによるユダヤ人大量虐殺(ホロ・コースト)において、
最大の虐殺が行われたことで有名なアウシュヴィッツ収容所の所長であった
ルドルフ・ヘス(ナチスの副総裁のルドルフ・ヘスとは別人)が、
敗戦後に捕縛され、拘留中から処刑されるまでの期間に書いた手記の翻訳です。
彼の少年時代から話は始まり、ナチス入党や収容所所長就任への経緯、
ユダヤ人の処分について彼が思ったことなどが綴られていきます。
要は「真面目で、普通で、『人間らしさ』を持つ人間も、
状況次第ではこんなことができてしまうのだ」といったところでしょうか。

訳は読みやすく、述べられている内容も特に難しい内容でないために、
厚さの割にはすぐ読み終えることができます。半日もかからないでしょう。
それなりに面白く、興味深くはあるのですが、それだけです。
個人的には、学術文庫から出ている他の本に比べると、内容はさほど無いなと感じました。
私は娯楽としての面白さを期待して学術文庫を買うわけではないのです。
この本は学術文庫の中でも高い部類に入ります。この値段で売られる書物かと考えると「?」です。
まあ、世間に溢れるどうでもいい単行本に比べれば余程マシですが。
余談ですが、なんとなく、「女性の好みそうな種類の本だなぁ」と思いました。

興味があれば読んでみてはいかがでしょうか。
学術文庫の他の本に比べれば、ずっと取っ付きやすいと思います。