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講談社
グループ:Book
ランキング:266413
価格:¥ 1,680
ポイント:16 pt
発売日:2007-12-21
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カスタマーレビュー ![]()
密室状況で何が?
(2008-03-13)
台風の中での進行、密室とも考えられる松之原村、車椅子の老女。期待しないわけにはいきませんよね。さらに一正、一志という特別な状態の人たち。
構成とアイディアがよければ、怖くて面白い作品になったのになと思います。
20年以上待ちました。
(2008-02-05)
実はこの「樹霊の塔」というタイトルは「猫目石」という1984年に書き下ろされた小説の中で予告されています。「猫
目石」の詳細な内容は、角川文庫版で秀逸なレビューが書かれていますのでそちらに譲りますが、一言でいいますと「僕
らの時代」の主人公である栗本薫と伊集院大介の二大探偵競演作品で、栗本薫先生の小説の中で私が最も好きな作品のひ
とつです(興味のある方はご一読を、とっても面白いですよ)。
「猫目石」では森カオル女史が「樹霊の塔」事件について触れていますが、実際に書かれた本作の内容は「猫目石」での
記述から推測されるものとは相違がみられます。「猫目石」では松之原美夏という人物と山科警部の登場が示唆されてい
ますが本作には登場しませんし、伊集院大介が自らの行動に疑問を持っているような記述もみられましたが、本作では何
の迷いもなく行動しています。続編があるのかもしれませんが、そこはちょっと残念に思いました。
とは言え、本作の内容も雰囲気があって私は好きです。時代設定は1970年代で、秘境の松之原村に森カオル女史が取材
旅行に出かけ、殺人事件に巻き込まれるというストーリーですが、その村の成り立ちや領主であった松之原一族について
の記述など、フィクションとはいえ非常にリアリティがあり興味深く読みました。
また一番の見所は松之原村の実質的な支配者であるまつゐ御前と伊集院大介の対決でしょうか(対決と言っても言葉を交
わすだけなのですが)。このまつゐ御前という人物は92歳の老女でありながら人形のように綺麗で、かつ伊集院大介と対
等に渡り合える知力と胆力を持っています。その対決の場面は森カオル女史の視点から描写されるのですが、非常に緊張
感がありグイグイと引き込まれました。
やはりこのシリーズに、伊集院大介の宿敵あるいは彼と同等の知力を持つ人物が登場すると一本芯が通りますね(今回の
まつゐ御前は宿敵ではありませんが)。過去の作品においてもライバルが登場する回は面白く読みました(「天狼星」の
シリウス、「女郎蜘蛛」の友納比紗子など)。これからも宿敵をお願いします、栗本先生!
森カオルの秘境探索
(2008-01-02)
延々と横溝正史ばりのキリシタンの隠れ里とも、平家の落ち武者部落とも称せられる、秘境松之原の里の状況説明が、中盤過ぎまで続きます。
この物語の主役は森カオル女史です。
伊集院大介の「伝記作家」から脱し、独自の物語を紡ぎ出したいと思っていた森カオルに編集者大原から取材旅行の誘いがかかります。それにのって、森カオルと編集者大原、カメラマン甲崎の三人が秘境探索に出かけます。それが、事件の発端になることも知らずに。
作品全体は、森カオルの視点から語られ、事件そのものについての描写はほとんどありません。そのあたりは、大団円で伊集院大介の語るのを待たねばなりません。
従って、その盛り上がりのようなものには欠ける嫌いがあります。事件の動機についてははっきりするのですが、それを起こす切っ掛けとしてはどうでしょうか。
従来の作品に比べ、やや不満の残る作品でした。

