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アイテム詳細

茂木 健一郎
田谷 文彦

講談社

グループ:Book

ランキング:237466

価格:¥ 903

発売日:2003-05

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考える脳 考えるコンピューター

脳の中の小さな神々

カスタマーレビュー

右脳と左脳を行ったり来たりしながら読み進めていくと、何か日々の生活にブレークスルーが起きそうな予感がしてくる。  (2007-12-28)
最近ではアハ体験などテレビでもお馴染みの茂木健一郎先生の共著作。
コンピュータサイエンスにおける現時点での限界と今後の可能性について脳科学者の視点でまとめてあり、基礎、前提から丁寧に説明してあるため、非常に分かりやすく、興味深い。
特に、チェスの世界チャンピヨンとIBMのスーパーコンピュータの思考プロセスの違い(世界チャンピヨンは、数秒で差し手が浮かび残り時間でその裏づけを行うに対して、コンピュータは、しらみつぶしにパターンニングを行い解=差し手を導き出す)や、コンピュータの電子回路と脳神経回路の違い(コンピュータが 1秒間に数十億回の命令を実行できるのに対して、人間のニューロンはたかだか1秒間に100回程度しか反応しない)など、興味深い事例も多数掲載されており、著者の主張を理解する上でも十分な助けとなる。
本書は、情報技術の発展からコンピュータと人間の能力的距離が縮まりつつあるように感じられる昨今、人間しか持ち得ていないものは何か?またさらにそれをコンピュータ側が習得するには、どうアプローチすべきか?という命題に対して、「数値化しにくいが確実に存在する部分」を認め、そこにスポットを当てることによって全体を像を照らし出そうとアプローチしている。
右脳と左脳を行ったり来たりしながら読み進めていくと、何か日々の生活にブレークスルーが起きそうな予感がしてくる。
マトリックス3部作(特に後半2作)や攻殻機動隊の世界観に興味がある人や、イノベーション系エンジニアの方にお勧めです。

一般向けの優れた入門書  (2007-01-19)
意識・主体性を生み出す脳のプロセスは、
この科学全盛の時代においても正確なことはまだ殆ど分かっておらず、人体最後にして最大の謎とも言われる。
「意識とは何か」を問うことは人間の存在を考える上で、極めて哲学的な示唆に富んだ問題である。

本書では、タイトルの通り脳とコンピュータの違いを比較することで、その深遠なテーマに迫ってゆく。
両者の原理については概説的な記述に留め、専門用語を最小限に抑えた平明な内容となっている。
”ニューラルネットワーク”と”脳の視覚システム”をアプローチとして意識構築の謎に迫る手法は、
フランシス・クリックの著作などと同様で、的確で理解し易いと感じる。
本書ではさらに近年の研究結果を踏まえ、
特に”クオリア”の問題に重点を置いて脳とコンピュータの原理的違いに迫り、
人工知能が将来的に意識や主体性を獲得する可能性があるかを考察し、
また意識とはすなわち何なのか、という本源的な問題についても考えて行く。

一般向けの啓蒙書であるから、専門的な内容に踏み込みたい向きには物足りないかもしれないが、
初学者にとっては優れた入門書と感じる。
僕は主に哲学的な興味として本書を手にして見たが、
脳やコンピュータへの理解を深める最初の一歩としても有用な一冊かと思う。

脳科学のさわりを体験する。。。  (2006-10-03)
 題名は大変魅力的なものですが、中身はやはりブルーバックスだなと
いうのが第一印象。もう少し突っ込んだ話が知りたい人間にとっては、
欲求不満が残るところ。しかし、脳科学というものに普段触れたことが
なかった人間にとっては、「脳について、こういう風に調べられている
のか。」という新鮮な発見があるはず。「クオリア」という概念が提案
されているが、茂木さんのお話を聞く中でなかなか有効なアイデアだな
と思えること間違いなし。昔見たブロードマンの脳地図は、今も現役で
活躍しているのだということも実感。ただ、本文中に提示されている実
験データに関して、もう少し詳しい説明があると脳科学の手法に関して
もっと説得力を増すことができたのではないかと、何気に感じる。素人
からすると、一目見ただけでは何のデータなのかが明確ではない。せめ
てパラメータに関する説明くらいは欲しかったと思う。行間を自分で補
足する必要があると思う。(ちなみに、脳科学に興味を持てたのなら、
巻末の参考文献として、脳とコンピュータ・サイエンスについての文献
が20点ほど紹介されています。)
 肝心の「脳とコンピュータの違い」であるが、結論から言うと「今後
の研究に期待する」というのが本音のよう。まだまだ脳に関しても未知
が多く分からないことだらけだということが、この書籍から大いに実感
できると思う。それでも、本書は面白いテーマを与えてくれるという意
味で、星を4つに。。。オワリ

脳の凄さを実感する一冊  (2006-03-22)
認知,知能,意識…等の脳の機能は、謎に満ちている。しかし、謎に満ちた脳といえども、物質で構成されていることには間違いない。それが、なぜ脳にだけ意識が宿るのだろうか…?そんな疑問も交えつつ、謎に満ちた脳をコンピュータと対比しながら解説しているのが本書である。つまり、本書の主題は脳にあり、コンピュータは脳との比較対象といえる。
本書の流れは、コンピュータの歴史や動作原理から始まり、コンピュータにはない脳の機能の本質に迫っていく。しかし、現時点の脳研究の成果では、脳の機能は謎だらけということを実感する。そのせいか、若干歯切れが悪くなるが、それは仕方がないのであろう。
我々にとって身近であるはずの脳…それは現代科学の中で最も謎めいたものの一つである。そんな、身近で謎めいた脳を考えるのには悪くない一冊である。個人的には、コンピュータに詳しい人にお勧めしたい一冊です。

脳とコンピューターの比較に関する優れた入門書  (2005-11-02)
 読みやすく、分かり易い本である。私がこれまで読んだ、脳とコンピューターの比較についての入門書の中では、この本が、最も読みやすく、分かり易い本であった。
 脳とコンピューターの比較に関する本は、当然ながら、工学的な解説と医学・生物学的な解説が混在する。それに対して、読者の予備知識は様々で、コンピューターに関する知識は豊富だが、脳に関する知識は不足して居る読者も居れば、逆に、脳についての知識は豊富だが、コンピューターには詳しくないと言ふ読者も居る。もちろん、双方について、まだ知識の不足して居る読者も居る。その為、自然科学分野の啓蒙書の中でも、純粋に工学分野のトピックスについて書かれた本や、純粋に医学・生物学分野のトピックスについて書かれた本と較べて、読者を満足させる事が難しい事が想像される。(一般的に、学際的な分野のトピックスについて、多くの読者を満足させる入門書、啓蒙書を書く事は、難しいのだろう。)私自身、過去に、脳とコンピューターの比較に関する本を何冊も読んだものの、例えば、チューリングマシンとは何か?と言った基本的な概念の説明が不足して居て、正直に言って、思ふ様な理解に達する事が出来無かった。
 この本にも、そう言ふ、学際的分野の入門書に伴ふ欠点は無くは無い。例を挙げれば、クオリアの説明などは、クオリアの定義が曖昧で、良く分からない面が、確かに有る。しかし、本書の分かりやすさ、平易さには、そうした点を補って余り有る物が有る。
 医学の立場からは、例えば、そのクオリアと言ふ視点から、子供の認知機能の発達や、アルツハイマー病等における認知機能の低下をを見直す事は、非常に興味深い課題と成る事が予想される。又、逆に、脳の種々の疾患をクオリアと言った視点から見直す事は、コンピューターの将来を考える中で、何らかの示唆を提供する事につながるのではないか?等と、私は、空想して居る。
 又、別の読み方として、人工知能の将来について、マスコミなどに、過大な期待や、誤った技術予測がはびこって居ないか?と言ふ問題意識を持つ為にも、この本は、多くの示唆を含んで居ると思はれる。
 そうした幾つかの理由から、私は、本書が広く読まれる事を期待する。

(西岡昌紀・神経内科医)