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アイテム詳細

保江 邦夫

講談社

グループ:Book

ランキング:73293

価格:¥ 987

発売日:2003-10-20

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カスタマーレビュー

金融工学のとっかかりには最適  (2008-07-08)
金融工学の本を何冊か読みましたが、このシリーズ2冊で、金融工学の本質を一番イメージできました。今後の勉強意欲も湧きますし、金融工学のとっかかりには最高の本じゃないんでしょうか。

他のレビュアーの方が結構批判されてますが、間違いなくいい本です。
ただ、"金融市場予測"というタイトルだけで、トレーディングに勝てるなんて思って読む本じゃないです。あくまでも「オプションの価格計算をするために、市場の動きを単純化して、数学を用いて解く」ということを"金融市場予測の科学"といっているだけです。
トレーディング技術とは全く関係のないものなので、悪しからず。

ちなみにマートンもショールズもBS式を研究してたときは、別にトレーダーでもなんでもない一研究者です。金融工学は主にトレーディング経験のない学者たちの間で発展してきたものです…

改訂版を望む  (2007-10-03)
 もし落語家が自分で言った落ちに大笑いしたら、もし漫才師が自分で言ったつまらないギャグで哄笑したら、見ているほうは白けてしまうことは皆さんも分かってくれると思います。この本はまさにそれで、三文落語家、三流漫才師の落ちやギャグを1ページ目から最後まで聞かされることになります。しかも、著者自身が笑ってしまっているのです。
 ブラック・ショールズ公式についての安価な入門書はほとんどないというのが現状で、私もこの本を見つけて嬉しく思ったのですが、中身は全く期待外れです。エクセルの入力の仕方なぞ、エクセルのマニュアルに任せればよいものを延々と書かれては忍耐にも限度がある。また、例え話で阪神タイガースの優勝セールスの話が出てくるのもアンチタイガースの人には不愉快かもしれません。
 それよりも何よりも問題なのは、著者が金融工学を駆使してトレードしているトレーダーでも何でもないことです。そのような人にLTCMで、食うか食われるかの市場で実際にトレードを行っていたロバート・C・マートンやマイロン・S・ショールズの理論の説明ができるとお思いでしょうか。
 ブルーバックスは権威ある新書だと私は思っていますので、どうか著者を代えて、ブラック・ショールズ公式の入門書を改めて出版してほしいと講談社にはお願いしたい。

あまり良い本のようには思えません。  (2005-12-27)
市場予測の理論を期待した人にとっては愕然とするでしょう。
なぜならば、市場モデルが不完全で、再計算するたびに
違う予測を示すため、全く予測としての価値がありません。無価値!
これならば、巷の株の本を当てにしたほうがマシというものです。
いや、むしろ僕が作り上げた経済物理モデルのほうが役立ちます。
星1つとしたいところですが、F9ボタンを押すと再計算してくれることがわかったので、星2つとします。

冗舌な語り口  (2004-03-27)
正では中心極限定理、『最新』ではブラック・ショールズ式を文系学部出身の金融界の者を対象に説いた入門書。
本書及び『最新』の構成要素は以下の3つだ。
1.身近な凡例に基づいた『ナニワ金融道』な語り口による用語解説
2.数学系を前面に押し出した数々の高等数学
3.文系学部出身の金融界の者が見てもびっくりするくらい低レベルなExcel

冗舌な語り口での1にはとても好感が持てるのだが、2の高等数学については結論とその論理根拠がわかれば、『文系学部出身の金融界の者』としては充分だ。3に至ってはマクロも複雑な関数もなく、まさに『理想化』された市場はこんな程度の関数で示しうるのかと思うほど、単純である。いくらなんでも『文系学部出身の金融界の者』のExcelの腕のレベルを低く評価しすぎてるのではないかと思うのは僕だけだろうか。

『文系学部出身の金融界の者』が求める金融市場予測をExcelにてというスタンスはもっと違うものだと思う。高等数学の現時点での結論をいかにExcelの中に組み込み、シミュレーションしているかをもっとExcelの技として見たいということなのだと思う。この2冊の本でExcelでの金融市場シミュレーションができると思ったら大間違いだ。

読んでいて思ったのは、本当にExcelでモンテカルロ・シュミレーションまでできるのだろうかという疑問だ。Mathematicaの様なもっと専門的な、あるいは数学的なソフトウエアでなければ無理ではないだろうか。LTCMがExcelでシュミレーションしていたとは僕には思えない。

ほんとに『文系学部出身の金融界の者』のExcelの腕前を馬鹿にしているんじゃないの?と聴きたくなる本である。

理系には饒舌でまどろっこしい.ファインマン・カッツ公式の充実した解説を望む.  (2004-01-27)
著者は文系向けと断っているので,批判は当たらないかもしれないが,紙面の半分以上が関西弁での金融デリバティブ商品の解説と,2変数関数の微分や合成関数の微分などで占められており,理系にとっては無駄が多すぎる.それよりもウィーナー過程やその他の確率過程の解説,確率微分方程式などより本質的な部分に割いてほしかった.確率過程は理系にとっても難解な部分が多いのだから.特に熱伝導方程式の解が,初期温度分布のウィーナー過程による期待値であることは,理系に対してこそもっと丁寧な解説が必要だろう.

伊藤のレンマやブラック・ショールズ方程式の導出は大変丁寧で結構だが,ところどころ誤植があるのが残念.また最終項で「ブラック・ショールズ公式を捨てよモンテカルロの町に出よう」と言っている割には,話が尻切れトンボで,じゃあアメリカン・コールオプションはどうやればよいのか,ノックアウト・オプションはどうすればいいのか,と感じてしまう.ファインマン・カッツ公式に関する充実した解説がほしい.

著者が中心極限定理こそが中心金融定理であるとの主張を貫いているところは本質を突いて立派だが,現実の経済現象の観測値は必ずしもウィーナー過程を示唆していない.それはとりもなおさず経済現象は中心極限定理の前提条件を満たしていないことを強く示唆している.行動ファイナンスや経済物理学など,最新の理論の発展にも一言触れてくれれば金融のプロも唸ることだろう.