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アイテム詳細

青木 薫

講談社

グループ:Book

ランキング:177670

価格:¥ 1,260

ポイント:12 pt

発売日:2005-03-17

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カスタマーレビュー

分子生物学必須の書物  (2007-06-10)
ブルーバックスの中で最重要な本はどれ?と訊ねられると
迷わず本書を推薦します。少なくとも分子生物学では外す事が
できません。
DNA二重らせん構造を発見してから半世紀なのでその発見に関する
内容は少し解説していますが、その後のDNAは分子生物学や遺伝子に
及ぼした業績、経緯を様々な角度からワトソン氏が述べています。
やはりヒトゲノム全解読をきっかけになって本書を著わしたようです。

特に21世紀になるまでの遺伝子、分子生物学の本は現在となっては
かなり古くて現在誤った記載になっているものが多く注意してください。

それからワトソン氏は相棒のクリック氏が亡くなった事もあって
自分が分子生物学を推進していかねばならないと感じて本書刊行後も
リーダーシップを振るっています。

重鎮による大部。  (2006-04-03)
 科学界の重鎮が、DNAや遺伝子の分野全般を俯瞰し、そこに科学者の立場からのメッセージを加える。

 前半では、著者がフランシス・クリックとともにDNAの二重らせんを発見するまでの時代から、ヒトゲノム(人間のDNA全体)の解読が完了したいまに至るまでを紹介する。

 加えて後半は、DNAや遺伝子の知識をわれわれはどのように使っていくべきかといった未来のことも見据える。例えば登場するのはこんな話。

 医療では、各個人のもつ遺伝子の特徴を知ることができるようになったため、その人が将来どんな病気にかかるかがわかるようになる。「未来の患者」の誕生だ。しかも、遺伝病なら、その人が将来病気になることがわかった時点で、本人以外の家族も自分の運命を知り得る。息子は自分の未来において病気にかかるかを知りたいけれど、父親は自分の未来を知りたくない、などといった場合どうすればよいのか。こんな状況は増えてくるだろう。

 ワトソンのスタンスは終止、科学者として明快なものだった。それは「科学技術は積極的に推進しよう。そうすればわれわれの生活はより豊かになる」といったもの。遺伝子技術に対して「何か得たいのしれないもの」として蓋をすることは、人間を幸せにしないと表明する。例えば、遺伝子組み換え作物が広く普及したら、飢餓で苦しむ人たちがどれだけ助かるだろうか、というふうに力説する。

 重鎮が著した大部。喩えるなら、野球の神様川上哲治さんが、選手時代の野球黎明期からV9の監督時代、そして現在のプロ野球の状況と未来のあるべき姿までを広く書いたような感じ。

21世紀の名著では!?  (2005-11-23)
上巻から引き続き読みました。

上巻ではDNAの二重螺旋構造の発見からヒトゲノム解析までの学問の基礎的な側面が中心に描かれていたと思います。
下巻はDNA解析の古代史への応用やDNA指紋、遺伝病への挑など、今後DNAが発展を促進していく分野の現状が描かれています。

上下巻を通じて、ワトソン博士の主観を織り交えながら話を展開する構成は圧巻で、非常に読みやすく分かりやすいものになっていると思います。
特に下巻の最後の方の章にある「生まれか育ちか?(≒遺伝か環境か?)」に関わるDNAの話や、最後の「遺伝子と未来」については博士の主張が色濃く出ており特に面白く興味を惹かれました。
遺伝子を人間の選別や優生学に生かされるという側面を、世間では強調しすぎであると捉える反面、そうしないためには思いやりや愛情が大切であると説くくだりは、特に共感です。
DNAがもたらす課題や未来に目を背けることなく、事実を受け入れながらもちゃんとした対応をとれる人間でありたいと感じてしまいました。

DNAのこれまでの歴史を語った著作の中では秀逸であるのはもちろん、今まで分子生物学の最前線にいたワトソン博士の主張がこれだけはっきりとしている著作という点でも名著といえる1冊だと思います。

広範かつ深い  (2005-05-23)
読んだ、そして、感動した!!たしかに、記述が上手い。膨大な知見が滑らかに紹介されてゆく。広範な記載を支えた協力者の数が圧巻である。マネジメント職としてワトソンは格が違うのだろう。

共著者のベリーの腕も大きいのだろうが、定量的なことを理解させるときの比喩が秀逸である。また、翻訳が素晴らしくて、訳者の消化不良でヘンテコな日本語になって、この為に理解が困難になるような箇所がない。

後半の遺伝病遺伝子ハンティングあたりからますます熱がこもって来る。ハンチントン病をはじめとする遺伝病の苦しみを解消させる為の多くの研究者の奮闘ぶりを紹介(抜け目ない製薬企業もきっちり出てくる)するあたりから、寝転んで読むのが失礼なような気がした。

「治療法がないのに、スクリーニングしてどうなるのか?」「神を演じていいのか?」「中絶の強制ではないか?」などという、私でも漠然と抱く意見に対して、ワトソンは、実際に接したであろう多くの両親、母親、母となる人々の具体例や、医療統計の結果を充分把握した上で、明確な自身の意見を展開してゆく。この章あたりから、最終章までの展開は大変大きな重い主題を扱っている。久しぶりに科学者からのまともな意見を真剣に読めた。良い意味でのアメリカンプラグマティズムが感じられた。

末尾近くで、ワトソンにより聖書(コリント人への手紙 1)の引用がなされ、「愛」に焦点が当てられたとき、まるで高校生の頃に大河小説の締め括りのところで大感動した気分が甦ってきた。

DNAについての全てを語りつくす  (2005-04-24)
DNAについて、
1.その歴史から二重らせん発見の経緯
2.何が分かって、何が分かっていないのか
3.分かったことによって何が出来るようになるのか
4.分かったことによってどういう問題があるのか
5.問題に対してどういう解決策があるのか
などなど、DNAについての全てが素人に対する視点で簡潔平明に語られます。
しかも語り手は二重らせんの発見者ワトソン!
そして、科学ライターとの共著!
翻訳も良し!
文句なく五つ星です!!