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アイテム詳細

木村 俊一

講談社

グループ:Book

ランキング:86152

価格:¥ 1,575

ポイント:15 pt

発売日:2001-11

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カスタマーレビュー

数学好きの中高生にお勧め  (2007-04-26)
 数学を学んでいる中高生にとって、数学の代表的なイメージといえばやはり方程式ではないだろうか。特に2次方程式とその解の公式には十人十色の思いがあったと思う。ところで、2次方程式があれば当然3次や4次の方程式も考えることができるのだが、その解の公式はいかなるものか。実はこの点は高校の授業では習わないし、大学においても数学科以外では問題にされることもないのである。(私の学んだ物理学科でも、そんな講義は無かった)その理由は、方程式には複素数の範囲なら解があることは分かっており、なおかつ実用上は物理的に意味のある解しか興味がないためである。さらに公式がなくとも数値計算によって近似解が求まれば十分であるため、公式の存在が問題にならないのである。
 しかし解の公式の発見する努力は、数世紀に渡って多くの数学者によって行われてきた。本書はその公式発見に携わってきた数学者達のエピソードをふんだんに取り入れており、歴史的な流れを知ることができる。数学の歴史といえばどうしても古代ギリシャの時代の次には、17世紀のニュートンへ一挙に飛んでしまうことが多いが、本書はその間の期間において活躍した数学者達の物語を記しており興味深い読み物となっている。方程式という数学の身近な題材から、数学の歴史に触れてみたいという中高生に本書はお勧めしたい。なお、5次以上の方程式に解の公式は存在しないが、より理論的な話を知りたい方は「アーベルの証明」も手に取ってみて欲しい。

数学が苦手な人にもおすすめの本  (2007-01-23)
 数学という分野ほど、好き嫌い、得意不得意が際立っている分野はないだろう。レビューを書く人も数学関連書については、二派に分かれているように見える。
 数学者の天才奇才ぶりを面白くならべたエピソード数学史では数学の本当の面白さは伝わらない。かといって数学の発展を数式に基づいて理路整然と書き綴った本では門外漢は手にとる気にもなれずに立ち去るしかない。「世の中から数学者を減らすのは数学者である」とつぶやきながら。数学をもっと知りたいという潜在的需要は高いが、それを満たす供給がないのが現状である。
 この本は、方程式を中心として数学がどのように発展してきたかを、数学が苦手な人にも分かりやすく示している点で成功していると思う。小数、負数というごくふつうに使われている数が受け入れられるまでに、こんなにも歴史的な紆余曲折があったのかと驚く。虚数や複素数という見慣れない数もこのように説明されると理解ができる。理科系の大学講義でも、虚数や複素数の本質について丁寧な説明を受けた覚えがない。この本では、方程式を幹に咲いた数学の花が見事に書きあらわされている。アルキメデス、デカルト、ニュートン、ラグランジュ、アーベル、ガロアなど、ここに描かれている数学者の生き様やエピソードはとても面白いが、それらをとり除いてもなおこの本の面白さは失われない。方程式以外の数学上のテーマについても、同様な本が出ることの望む。

名著なのでおどろいた  (2006-04-07)
この本は、出版社の意図と、著者の意図が食い違っているため、全体に構成がおかしいが、(部分的にではあるが)名著と言ってもいいと思う。特に正十二面体(それぞれの面が正五角形)と五次方程式の解の関係については目から鱗が落ちる指摘で、誰かネットで詳しく説明する人が欲しいくらいだ(文部科学省にやってもらいたい)。複素平面という一般になじみのないコンセプトもこうした教え方なら受け入れられるだろう。
部分的にではあるが、著者の代数幾何の射程の広さに数学教育の未来を垣間見せてくれた名著である。

確かに面白い。けど……  (2003-04-02)
方程式の歴史を縦糸に、数学者のエピソードを横糸に、読みやすい数学史の本となっている。紙と鉛筆をもって挑戦したい練習問題も載っているので、ちょっと背伸びして数学をもう少し知りたい、という人にはよい本だと思う。塾で数学を教えている学生が、息抜きに小咄をしたいときにはこの本はネタ本として有用だろう。

だが、歴史を下るにつれて話が散漫になっていく印象があった。古代バビロニアやギリシアの数学の話は非常に面白かったが、後半は書き急いでいるようでどうも話がうまくまとまらず、わき役的数学者たちの取り上げ方も中途半端で不満が残ってしまった。

科学史ものの読み物の面白さの一つに「細々とした小さな成果が次々と積み重なって巨大な理論が構築される」というのがあると思うが、残念ながらこの本にはそのような大団円はない。サイモン・シンの『フェルマー…』と比べると本全体を貫くテーマが希薄で、分量のわりに読後感が軽かったのがとても残念。

驚きの一冊  (2002-05-13)
日本人が書いた数学史を扱った本は、欧米のものを転用しただけというイメージがあったので全く期待していなかったが、いい意味で裏切られた。一次方程式から始まり5次方程式の解の方程式が存在しないことまでかかれているが、最初から最後までおもしろかった。こんな本がベストセラーにならないとは、これでは著者が可哀想だと思うほどおもしろかった。5次方程式の解は存在するが解の方程式が存在しないという意味がわからない人、ガロアが悲劇の人だと思っている人は是非読んでみることをお勧めします。