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アイテム詳細

後藤 明

講談社

グループ:Book

ランキング:170942

価格:¥ 1,890

ポイント:18 pt

発売日:2003-03

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太平洋―開かれた海の歴史 (集英社新書)

南島の神話 (中公文庫BIBLIO)

カスタマーレビュー

点と点がつながっていく  (2006-09-30)
南の島に住む人々が,レーダーも人工衛星もない時代に,どのように島から島へ拡がっていったのか。考えてみれば不思議な話である。
いろんな証拠に基づいて,太平洋の島々を人が移動した経路が推定されている。途方もなくスケールの大きい話だが,いろいろ突き詰めることで点と点がつながっていく。最終的には,日本人の成り立ちについても考察している。
内容は文系的なものから理系的なものに渡り(ほとんど文系的),理学的な本に慣れた身であるからか,やや掴みきれない気がしたが,中身が盛り沢山で読みごたえのある本である。

現時点(2005年1月)最良の日本語による概説書  (2005-01-26)
 オセアニア地域の人類拡散のプロセスについて、最新の知見をもとに解説された素晴らしい概説書。文化人類学、考古学、比較言語学などの各分野における現在の議論の状況をきちんと紹介しており、また書誌情報も充実していて発展的な学習や研究の入り口としても価値が高い。

 またHLAやmtDNAなどの遺伝子解析の知見が紹介されている点やオセアニア・東南アジア各地のカヌーの比較検討が行われている点も新鮮である。さらに網野善彦や宮本常一ら日本列島史研究の知見、小熊英二による思想史の検討まで見渡し、オセアニア・アジアという空間の中に相対的な一つの界として日本列島を置こうとしている姿勢も高く評価出来る。

 要するに新品即購入に値する名著。

ハワイ、タヒチ、グアム島、ニュージーランドなどへ旅する人に  (2005-01-26)
ハワイをはじめとする太平洋の島々へ旅する日本人は多い。そして、海の色、珊瑚礁とそこの魚の珍しさ、異国の花や鳥の美しさに感嘆の声を挙げ、非日常の時の流れに生き返る思いを抱いて帰ってくる。しかし、そこに住む人々の来し方や日本人との関係に思いを馳せる機会はさほど多くないと思う。

この本で著者は、東南アジアから太平洋にかけての民が、いつの時代にどこから、どのようにたどり着き、現在に至っているかを語ってくれる。現地で片側にフロートのついたカヌーを見かけるが、それらカヌーがどのように開発され、この広い海原をどのように移動したかなども紹介してくれる。この地域から日本に来る力士やラグビー選手の大きな体格がどのように獲得されたかなども解き明かされる。日本人との関係も触れられる。海人という概念も面白い。太平洋の海人が余所から来たとしても、実は今あるその場で形成されたのだ、という指摘は目からウロコ。それらを、人類学や考古学、言語学の成果や神話、遺伝子情報などを駆使して解き明かしてくれている。

目の前に新しい世界が拡がり、太平洋とそこに住む人々がグッと身近になる所説の山である。

この本と別に、太平洋地域を歴史学など社会科学的視点から明かしてくれる本として増田 義郎 (著)「太平洋-開かれた海の歴史」(集英社新書)がある。両書を読めば、太平洋学概論の講義を受けたことになり、この地域の旅がいっそう奥深いものとなることうけあい。