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講談社
グループ:Book
ランキング:169530
価格:¥ 540
発売日:2005-05
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カスタマーレビュー ![]()
もう少しの冷静さと抑制が欲しいが、視点は大変鋭い
(2007-10-19)
辺見傭の小論集。
『サンデー毎日』に連載されたものであるから、全体的にはきわめて大衆的な文体で書かれている。
テーマは多岐にわたるような印象もあるけれども、実際にはかなり限られたパースペクティヴに基づいて、同じ問題を繰り返し繰り返し記述している。それは一言でいえば「全体主義」。知らぬ間に無前提ななにものかを押し付けられる、のが嫌なのだろう。
ファシズムの匂い、全体主義の風潮、米国の中東における横暴(民間人の無差別殺害など)。繰り返し繰り返し語られることは、全体主義が無自覚に訪れ、それが今の日本にも現れつつあり、しかし日本のメディアは何もしていないではないか、いわんや国民をや・・・という具合なのだが。
どうも全体的に、胡散臭さを感じてしまうな。
もの食う人びと、で何かの賞を取ったときには、抑制の効いた文体で、信頼の置ける著者だという気がしたのだけれど。『もの食う人びと』が抑制の効いた日本料理だとすれば、本作はただ食い散らかして、魚の内臓が飛び散っているようなイメージがある。はっきり言えば、見るに耐えない。
そういう精神の饐えた匂いは御自分でも感じておられるらしく、本書の最後では自分を最も憎んでいるのだという痛ましい告白もある。
辺見傭が、ここから一歩踏み出すことを望む。
こんなことを書くのも無責任に過ぎないけれど、こういう地平で立ち止まらないと信じたい。
少数派だがまっとうな意見
(2007-08-04)
この本のタイトルはずっと気になっていた。非常にインパクトのあるタイトルだ。
やっとこの本を手にとって読んだ。
ここまで過激な内容とは思わなかった。たぶん多くの書き手達が取り上げない(取り上げたくない?)であろう題材、「天皇制」「死刑制度」などにも正面から言及している。書いている事は、ごく少数派の意見であろう。
そして、一番多く取り上げているのが、ブッシュ批判、コイズミ批判、有事法案批判である。
この本を読んでみて思ったことは、至極まっとうなことを書いているということだ。この、まっとうな意見が少数派だということ(ブッシュ批判に関してはいまや多数派と思うが)が歯がゆい限りだ。
辺見氏の本は、吉本隆明氏との対談「夜と女と毛沢東」しか読んでいなかったが、他の著作も読んでみようと思う。
一人で立つということ
(2006-03-14)
辺見庸さんが病に倒れられる前、講演を聞く機会がありました。「血圧が上がっていて少しぼーっとしていますが・・・」と話し始められた内容は、尊敬する先輩ジャーナリストの話から、イラク問題へとうつりました。デイジーカッター(米軍が使用した殺傷兵器)の破片を会場に回し「物書きとしては、どうかとおもうのですが・・・これを見て頂くことがインパクトがある」とはにかみながらおっしゃられたことが思い出されます。
特に印象的だったのは、日頃発言しないおとなしい教師が、職員会議で震えながら、君が代斉唱に反対した話をされ、一人ひとりが今、思っていることを口に出そうということを、静かに、だけど力強く話されたことです。この本では「わあがあよおはー」、「不敬」などに通じる内容です。
辺見さんが紡ぐ文章は、時には、ジャーナリステイックに、時には小説家らしくねちっこく、読む者の首に匕首をつきつけてきます。
ジャーナリズムと文学が融合した傑作!
(2005-12-18)
辺見庸はこの手の短文集を何冊か出しているが、私はこれが一番好きだった。オジギソウの「恥じらい」方を日本社会の変化と重ね合わせるなど、表現のユニークさも楽しむポイント。

