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アイテム詳細

池田 晶子
陸田 真志

新潮社

グループ:Book

ランキング:52240

価格:¥ 1,575

ポイント:15 pt

発売日:1999-02

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カスタマーレビュー

本当に読んでのレビュー  (2008-12-02)
陸田君のお仕事はSMだかの風俗業。担当は用心棒?
お仕事自体まっとうじゃない。
働くというか、客をとる女性は使い捨て。
最後は廃人でお終いになるので、廃人になるまでに何回客を取れるか。
命なんてチューブ入りの練り歯磨きよりも寿命が短い。
手っ取り早い事業拡大のため、上司というか社長と店長を殺して経営権を奪う。
捕まっても、死刑までけっこう時間を持て余すので、新聞に投書。
「死刑囚からの投書」ってことで掲載されるも、新聞社が欲しいのは「死刑囚」って話題性だけなので、中身なんか関係ない、クレーム付かないように換骨堕胎。
で、自分の文章をちゃんと掲載して欲しくて、偶然読んだ本の著者、池田晶子にお手紙する。
それを文春が喜んで、企画として立ち上げた。陸田君は少々驚いたらしい。
陸田君は、新聞で懲りているのでかなり気を使って文章書いてはいる。
彼女は、それを哲学的な文章になるようにと上手に指導している。
しかし、発表を目的とした死刑囚との手紙のやりとりがいかがなものかってことで、継続の心配が生じた時、家族なら手紙のやりとりの禁止はありえないからと、養子もしくは結婚って手段を陸田君が持ち出した時、彼女はたじろぐ。
陸田君が控訴なんてしないって言って、死刑執行で企画が中断しそうになると、彼女は企画の続行のために控訴を薦める。
また、原稿料は要りませんって陸田君が言ったときにも、彼女はむきになって説得する。
このみっつが見物です。
そして、結局は彼女の方が陸田君よりも1年も早く死んじゃうっていうのも。

命がけの言葉  (2008-11-12)
哲学者(池田氏)と死刑囚(陸田氏)が、死ぬことあるいは生きることについて、妥協も甘えもごまかしもない、本気の言葉で語り合う過程が、生々しく収められている。

発端は、陸田氏が池田氏に書き送った一通の手紙。
陸田氏の冷静な分析力と文章力を見ぬいた池田氏が、東京拘置所宛てに返事を書き送ったことから、週刊誌上でふたりの「公開」往復書簡がはじまる。

むさぼるように本を読み、みずからが「わかった」状態にあることを、理詰めで哲学者に書き送る囚人。
陸田氏が死刑囚だからと言って何ら特別あつかいすることなく、その甘えや若さゆえの未熟さを容赦なく、しかし愛をもって率直に指摘してゆく哲学者。
たちまちのめりこんで読む。どのページにも命がけの言葉が並んでいるから、夢中で読んでもなかなか先にすすまない。

池田晶子さんは昨年、47歳で亡くなった。
陸田真志氏は今年6月、37歳で刑死した。
哲学対話の続きを聞くためには、向こうへ行くまでもうしばらく、わたし自身の「死」を生きなければならない。

人類の深淵に潜む怖ろしい力に掴まれた男  (2008-02-18)
 書によれば、陸田氏は心理学を嫌っているのが解る。

 ぜひ、この書を読む前に、心理学者の河合隼雄の『コンプレックス』を
熟読される事をお勧めしたい。(できれば『影の現象学』も合わせて)
 なんという事だろう、河合隼雄が述べている、エディプス、プロメテウス、元型
といった事柄と、陸田氏の告白、行動が見事に重なってくるではないか!
 つまり、陸田という男は自分でも知らないうちに、無意識の深淵に存在する力に
掴まり、それに動かされていたのだという事が理解されるであろう。
(もちろん、本人は否定するであろうが)
つまり、彼の犯罪には無意識の深淵に潜む「人類の憎悪」の力が働いていたのかもしれないのだ。
 
 繰り返しになるが、ぜひ、この書を読む前に《だまされた》と思って、上記した河合隼雄の
本を読んでほしい。ウソツキクラブの会長でもあった河合隼雄に「やられた」と思わされる事に
なるであろう。

明日死ぬならこの一冊  (2006-07-08)
殺人犯・陸田真志は自分の罪の重さと死刑への恐怖から逃れようと、拘置所の中で読書に没頭する。そしてある時、池田晶子の著書を手にした事が切っ掛けとなり、ある「何か」を理解する。

「生と死」「善と悪」を巡り、哲学者と殺人犯の間で交わされる往復書簡。繰り返される極論と極論のせめぎ合いは、読む者の精神にも一定の強度を要求する。覚悟の無き読者は凄まじい拒絶反応を起こすだろう。読者が目にするのは、人の命を奪い、自らも死刑という死と直面している人間の書いた言葉である。

平易な言葉で書かれた文章でありながら、語られた言葉を目で追うだけではその本質を捉える事は難しい。読み解くためには、社会経験・知識・高度な価値観などではなく、正直さと忍耐、それから「心の柔らかさ」のような能力が要求される一冊だ。

全てのものは「在る」だけなのだ。「無い」ことは出来なかったのだ。そんな世界の同時性に「あ!」と気付いてしまった人になら読めるはず。

よくも悪くも考えさせられます  (2003-07-19)
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