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新潮社
グループ:Book
ランキング:149209
価格:¥ 1,365
ポイント:13 pt
発売日:2008-05
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カスタマーレビュー ![]()
魔法も使えない文学?
(2008-06-04)
『新潮』に掲載された際にちょっとばかし気構えて読んでみましたが、桜坂洋のライトノベルにでてくるキャラクターや阿部和重の小説にでてくるキャラクター、東浩紀と個人的な親交の深い(あるいはケンカ別れした)、現在、そして一昔前の日本における文壇や思想界を代表するお歴々の名前が続々と登場し、これは私小説ってよりも暴露本だなあ……と拍子抜けしてしまった印象をおぼえています。しかし、その点で確かに本作品にでてくる登場人物はみな「キャラクター」であるはずです。
ですがその後、東さんの対談や鼎談を読んでみると別の見方ができるようになりました(そんな大層なもんじゃないですけど)。
本作品が掲載された号の『新潮』の数ヵ月後の同雑誌に二ヶ月に渡って連載された、高橋源一郎・田中和生との鼎談において、田中さんは東さんに対して執拗に「文学的責任」といったものを問います。それに対して東さんはなかばキレ気味……。
確かに純文学がいまだ日本の文芸業界のメインストリームと考えてるっぽい(少なくともそういう印象を受けた)田中さんにとっては東さんの仕事は認められないはずですが、でもそれってスゴく失礼だ――ってことを2ちゃんに降臨した際、東さんは仰っていました。純文学が文芸業界における価値判断の基準になっている現状に警鐘を鳴らし、サブカルチャー批評の重要性を訴えてきた東さんは本作品もそういう位置づけで執筆したはずです。
あと、作品内で小説は「構造・内容・文体」の3つからできていると言っていますが、構造・内容ともに「複数性・階層性」というものをテーマにしています。主人公の東浩紀は3つに分裂し(複数の内容)、しかしそれを執筆する東浩紀がいて、でもそれは物書きとしての東浩紀であってそれを演じている東浩紀が存在する(階層の構造)――ってな感じですけど、正直ワケわかめです……。さらに、文章が下手だと指摘してるレビュアーがいましたが、個人的にはこれは佐藤友哉の文体のように思えました。皮肉っすかねえ……。
まあでも、おもしろかったかなっていまは思います。なんで☆4つで。
なんというか、単純におもしろい小説
(2008-05-26)
批評家と作家の二人の小説ということで、読む側としては少し構えて読んでしまいますが、第一印象としては単純に面白く読める物語でした。
また、読んでいて二人の著者のどちらがここを書いているのだろうというある種単純でありながらいままでなかった(と思われる)宙づり作戦が読者に対して展開されますので、どちらが書いているのだろうと予想しながら読むのも面白いと思います(実際どちらが書いているのかということに関しては東氏自らどこかの対談で特に隠し立てすることなく披露していましたが、まぁ作者を読みたいわけではないのでどっちでもいい話です)
言論界で活発な発言をしている著者ですから、それなりの思惑があって書かれているのかもしれませんが、私としては単純におもしろく、読んだ後、舞台になった新聞社をぶらぶら見に行きたいなぁと、思わせるぐらいの魅力はありました。

