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アイテム詳細

高任 和夫

光文社

グループ:Book

ランキング:216496

価格:¥ 600

発売日:2006-11-09

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カスタマーレビュー

短編集だが各々単独でなく微妙に絡み合っているのが面白い。  (2008-10-13)
今回初めて高任和夫氏の著書を読んだ。まずは特に理由なく短編集の「告発封印」を選んだが、商社、銀行、リース系小説として面白く読んだ。定年或いは定年前の早期退職勧奨制度で手を挙げた人物、或いは現役ながら社内で色々苦労をしている人物等が主人公になっており、人生後半のしっとりした夕焼け、黄昏を感じつつ話に引き込まれていくのが心地よい。
「魔の十一月」は、地方のプレス工場経営者と地銀の小さな支店の融資課長その他との借入れの行方が。「漁色」は、社員が地下鉄に轢かれて死亡し、商社人事部の井狩の社内調査の行方は。ここに初めて57歳の藤倉(3年前に54歳で銀行早期退職)が登場する。「ピッキング異聞」は、大手の鍵メーカー営業担当の植草が破格の出世と左遷、退職して起業、そして騙され・・・その後の行方は。ここでも藤倉登場。「辞める理由」は、49歳老舗商社の人事部員井狩が、予想以上に集まりすぎた早期退職希望者への対応、退職希望の経理部長補佐山岡への慰留説得、そしてその後の行方は。「専務の声」は、銀行系列のリース会社に銀行から転籍した富樫専務がのめり込んだ案件は、部下の課長と取引先社長とバーのママ達に見事に・・・。「告発封印」は、前出の銀行OB藤倉が銀行頭取から系列リース会社の富樫専務について事件調査の内偵を依頼され、その後の行方は。以上6作の多くは話の流れが微妙に絡んでおり、オムニバス作品の関連人物がちょこっと登場しており、よって全てをじっくり注意して読む方がいい。結末にほっと安堵したり、悲惨な結末に唖然としたり、経済小説ではなく企業の中の人間社会模様として良い作品になっている。本書を手始めにこれから暫らく高任氏の作品を楽しんでみたい。

企業小説短編集  (2008-02-09)
 「魔の十一月」(オール読物 2000年3月号初出)
 「漁色」(小説NON 1996年12月号)
 「ピッキング異聞」(小説宝石 2003年12月号)
 「辞める理由」(小説NON 1997年5月号)
 「専務の恋」(オール読物 2000年7月号)
 「告発封印」(小説宝石 2003年9月号)
 以上6編の短編が収録されています。あらすじは読んでのお楽しみとして省略しますが、それぞれの作品が多かれ少なかれ関連し合っているところが興味深い。特に「魔の十一月」「専務の恋」「告発封印」は一連の作品という構成になっている。発表した出版社は3社に分かれ、「漁色」の発表から7年隔てて「ピッキング異聞」が発表されているのに、微かながらも繋がりがあるのは、興味深い。作品の順番にも編集の妙を感じました。
 内容は、中小企業主、会社員などが主人公で、それぞれの作品がしかっりとした構成の企業小説集です。読後感が良い。特に「告発封印」でこの短編集の仕掛けが見える辺りは、脱帽。
 高任和夫氏の作品は初めてですが、他のものも読んでみたくなりました。お勧めです。

職人気質の男たち  (2007-01-01)
6編収録の短編集。変則的な連作短編集という仕掛けがあり、6編のうち「漁色」と「辞める理由」、「専務の恋」と「告発封印」はそれぞれ同じ会社が舞台なのだが、それぞれの主人公に接点がある。そして他の2編の主人公たちとも少し接点があるようになっている。
舞台が企業・会社であるが、経済小説というより、人情話に近い。
なにより主人公達が渋いのだ。職人気質で穏やかな正義感を胸に、黙々と使命を果たす。
文庫の帯に「静かで熱い、働く人々の物語」とあるが、まさにその通りの小説集。