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春秋社
グループ:Book
ランキング:120419
価格:¥ 3,150
発売日:1992-10
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自由をいかに守るか―ハイエクを読み直す (PHP新書 492) (PHP新書 492)
カスタマーレビュー ![]()
勉強会を行いました
(2008-08-02)
本書は、ノーベル賞を受賞した著名なLSEの経済学者(1992年逝去)が、第二次世界大戦中の1944年に、「時流に抗して」刊行した全体主義批判の古典を、彼を生涯の恩師と仰ぐ訳者が1992年に邦訳した本である。本書の全体主義批判は、基本的に正しいと見てよく、社会主義より市場経済(最小限規制の下での自由競争)が各個人の自由を保障するという主張も、新自由主義と直結はするものの、基本的には正しい(第三の道も市場経済を前提にしている)。ただし、ハイエクは自由な競争のための基盤整備の面で国家の役割を重視しており、とりわけ貧困層への所得保証も認めている点(国際面ではこれは指摘されていない)は、第三の道へもつながりうる側面として興味深い。ただし、国家による補完の具体的内容は本書では明らかではなく、その後の課題として著者に残された。他方で、ハイエクは全体主義理念の批判を重視するあまり、第二次産業革命、植民地支配、産業転換の中での民衆の生活不安等の、社会背景の持つ重みを正当に評価しているとは言い難い。それが抽象的な市場経済賛美傾向、政治と利権を直結させる傾向、道徳を強調する傾向に帰結しているように思われる。あくまでも個人に基盤を置くハイエクが、最終章ではおそらくは補完性原理に基づく世界連邦論を提唱している(白人帝国主義国同士の同盟も同時に提唱しているが)ことも、興味深い点である。戦時中の作であるがゆえに、諸悪の根源をドイツに帰する傾向も見られるし(ただし我々の内なる全体主義にも批判的)、また支配や自由の在り方が当時とは大きく変化してきた現代において、彼の自由論がどこまでアクチュアリティを持つか、の検討も必要であるが、本書は新自由主義に還元されるものではなく、今読んでも教えられるところの多い、社会科学の古典の一つであると言えよう。
「イギリス」を「日本」と読み換えてみると・・・
(2007-01-03)
社会主義・共産主義と全体主義(ナチズム・ファシズム)は全く同一のものである、ということを明確にしてくれる好著。
第一次世界大戦はイギリス(自由主義)対ドイツ(社会主義!!??)の戦争だった、という分析には一瞬度肝を抜かれたが、読み進むうちなるほど、と納得させられる。すなわち、ドイツ帝国においては敗戦前から様々な形で社会民主党を中心とする社会主義勢力が浸透し、実質上の社会主義社会が現出していたと説く。ワイマール体制下もこの状況は続き、ヒトラーの出現を準備することとなる。つまり、ナチスの台頭は社会主義者とそれを支持するドイツ国民によって準備されたものである、というのである。
また、西洋文明の発達を促してきた「法の支配」の理念がイギリスでの自由主義を確立させ、その繁栄を築いた事に言及。個人の自由な競争の重要性を力説する。そして、にもかかわらず、19世紀世界は自由貿易のお陰で繁栄を迎えつつあったというのに、少なからぬ知識人は後発資本主義国たるドイツでの社会主義的諸政策こそが最も世界で先進的なものと誤解し、ドイツこそが全ての国の模範たるもの、先導者たるものであり、イギリスとその思想は遅れたもの、劣ったものにすぎない、と考えてしまった、とする。まさに、水や空気はある間はそのありがたさに気づかない、ということであろうか。
しかし、これは果たしてイギリスだけのことであろうか。まさに今我が国においても、そのような価値の転倒が起こってはいないだろうか。文中の「イギリス」を「日本」と置き換えて、あまりの類似に愕然とする箇所も多々ある。「計画化」による社会の「設計」により、理想の社会が現出する・・・。社会主義に傾倒した人々の陥穽が、ハイエクの筆致で明らかにされていく。
日本の伝統的道徳・自由を護っていきたいと考えている全ての人に読んでもらいたい本である。
名著の名訳
(2005-05-02)
あまりにも有名な古典的名著に多くを語る必要はない.
それが改めて見事な日本語に翻訳され新たに多くの
読者を獲得することになったのは誠に慶賀にたえない.
この訳業だけで訳者の功績は十分である.
本書が品切れ絶版にならないことを願うばかりだ.
翻訳について
(2004-08-03)
20世紀の資本論と評されるF・A・ハイエク著"The Road to Serfdom"の翻訳本。
シカゴ大学にて、著者の指導の下Ph.Dを取得された西山千明氏(立教大学名誉教授)が翻訳を手掛けており、訳の正確さは信頼に値する。
他の出版社からも翻訳本(例えば『隷従への道』東京創元社)が出版されているが、こちらの方が格段に読みやすいように感じた。
本書の解説本である渡部昇一著『ハイエクーマルクス主義を殺した哲人』も西山氏の翻訳を引用しており、並べて読むことが望ましいだろう。
難解ですが
(2003-11-01)
経済功利主義の祖とも言えるハイエクの考えを読むことは有意義でしょう。ただ、Competitionが重要なのだと述べていますが、その辺りは批判の対象としてよく考えてみる必要があるかもしれません。

