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祥伝社
グループ:Book
ランキング:6938
価格:¥ 1,680
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発売日:2006-09
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カスタマーレビュー ![]()
妄想(主観や解釈)を評価したい
(2008-07-26)
池谷さんの脳の本は本書の他に海馬―脳は疲れない (新潮文庫)
進化しすぎた脳 (ブル-バックス)を読みましたが、やっぱり
面白いですね〜。
この本の大きな特徴のひとつは、科学的・客観的な知見をベースにしながらも、
著者自身が「妄想」と言っている主観や解釈を多く取り入れている点。
著者個人の主観や解釈なので、そこには願望・偏見・先入観なんかも事実上
入り込んでくるでしょう。
他のレビューには、これについてネガティブな意見もありますが、私はむしろ
その妄想(主観や解釈)を評価します。
主観や解釈にはその人の考え方や場合によっては人間性みたいなところが
透けて見えて、池谷さんの人柄が感じられます。
また、著者の主観に対し「いや、それはどうかなー」とか「俺ならこう思うぞ」
などと、解釈の違いを楽しむのもいい。
どの部分が著者の主観や解釈なのかは読んでいればわかります。
どこからどこまでが事実で、どこからが解釈なのかわからないのは困りますが、
それがはっきりしているのなら、著者と読者の思考の応酬が可能となり、より
クリエイティブな読書となる気がします。
そもそも、そうした「解釈」こそが、コンピュータにはできない人間の脳の
素晴らしいクリエイティブな部分だと思いますし。
他の脳関係の本も含め、以下のAからDの順番に読むのがおすすめです。
A.進化しすぎた脳 (ブル-バックス)
→非常にわかりやすい解説で、脳の機能や仕組みを押さえる
B.脳が冴える15の習慣―記憶・集中・思考力を高める (生活人新書)
→問題のある脳を健全な状態にする方法(マイナスからゼロに)を学ぶ
C.ひらめき脳 (新潮新書)
→脳をよりクリエイティブな状態にする方法(ゼロからプラスに)を学ぶ
D.脳はなにかと言い訳する―人は幸せになるようにできていた!?
→科学的・客観的な知見をベースにした著者の妄想(主観や解釈)を楽しむ
ビジネスを通じて自分自身や他者と向き合う際に有用なヒントが多く含まれている。
(2008-07-04)
身近な生活シーンから脳の働きをとらえようとしたもので、様々な生活上の心理・行動の背景にある脳の作用を描いている。元々ビジネスパーソン向けの連載エッセイだったためか、ビジネスを通じて自分自身や他者と向き合う際に有用なヒントが多く含まれていると感じる。一方で、一般向けの科学エッセイは分かり易さを求めるあまりに、実験的に解明された事実と生活シーンとの間を短絡的・飛躍しすぎな論調で結びつけることもあるので、この本も適当に気軽に読むと良いだろう。
学習したことをしっかり記憶する方法
(2008-03-05)
睡眠に対する誤解
私は従来、睡眠の役割は、疲労を回復するもの、体内細胞の成長や再生を促進するものと考えていました。生きる為に睡眠は必要なものと分かっていましたが、記憶に関してはネガティブに考えていました。つまり睡眠を取ると勉強したことや覚えたことをある程度忘れてしまうと考えていました。しかし実際は逆で、睡眠は記憶の定着を促進する役目があったのです。
また、研究者が夢の中で発明のヒントを得たとか、作家が夢の中で創作のアイデアを得たというような話を何かで読んだり聞いたりしたことがあります。これも池谷さんの本を読んだ後なら納得がいきます。夢は記憶の断片を繋ぎ合わせて新しいストーリーを作るので、普段の生活では考え付かないような奇抜な組み合わせやアイデアを生み出す可能性があるということです。
本書を読んで、睡眠は学習したことを効率的に記憶したり、独創的なアイデアを発想するために役立つものであり、睡眠をもっと積極的・肯定的に考えて取ろうと思うようになりました。
学習効果を高めるポイント
1.睡眠を取る前に自分の興味がある研究分野や学習対象の本を読んだり、CDを聞いたりして情報をインプットすると、夢に影響を与え易い。
2.睡眠中に夢を見ることによって記憶の断片が再構成され、必要な情報が記憶として定着化する。
3.夢の副次的な作用として、記憶断片の再構成の際に、通常では有り得ないようなパターンの組み合わせが生じることで、独創的な発想やアイデアが得られる可能性がある。
脳の研究の話は難しくてとっつきにくいイメージがありましたが、本書は読みやすくて日常生活に応用出来そうな話が載っています。
内容の面白さもさることながら、著者の努力が伝わる作品
(2008-01-26)
脳科学者である池谷裕二氏のエッセイ集。脳科学の研究結果を基に、思考のすばらしさや問題点について解説している。平易な言葉で記載されているが、専門用語もあって、高校生以上が対象と思われる。理系であれば全く問題なく理解可能。
本書の素晴らしい点は、書きっぱなしのエッセイをただ収載しただけではなく、詳細な捕捉を行っていることである。雑誌などに連載されるエッセイやコラムなどは、字数制限があるために著者の言いたいことが十分に述べられずに誤解を招いたり、主張にたいする信憑性を担保することが困難であるが、本書はそれを十分に補っている。さらに、他者による多くのエッセイでは、自身の主張に沿ったデータであれば信憑性の怪しいものを根拠にするものも多いのに対し、本書では権威のある科学雑誌の(信憑性の高い)データが先にあって、それについて著者が解説し主張を行っているため、確証バイアスにならないよう配慮されていることがわかる。そういった意味で、同氏は科学者としての責任を全うしていると思う。ただし、同氏の解説の中にはやや的をはずしているような部分もある。例えば、人間は進化の過程で体毛がなくなったために服が必要になったように考えているようだが、熱帯で誕生した体毛のない人類が服を必要としたのは短期間でより寒い環境に居住地を求めたからである。また、うつ病の人とアホさ加減についての記載は不適切と思う。他にもいくつかあるが、主観的な想像については著者自身が『妄想と思って下さい』などと注意喚起しているため、きちんと読む必要がある。本書の具体的な内容としては、アルコールはストレス発散になるかや、効率よく記憶される状況はどんなときか、などが述べられており、日常生活や勉強法の参考になることばかりである。
主観的な考察でやや的をはずしている点で評価を迷ったが、それ以上に学び得る情報が多く、従来のエッセイ集の問題点を克服しようとする著者の工夫や挑戦、真摯な姿勢は特筆すべきと思うので、星5つとした。同氏の著書を読むと、いかに著者自身が勉強しているかがわかるし、他の著作も読んでみたくなる、そういう読者を想う努力が伝わってくる。
脳科学を日常へ
(2007-12-16)
池谷本の中でも口述筆記のためか、ずいぶん読みやすい。脳研究を基に、日常生活のよりよい過ごし方を指南してくれるのは貴重です。だれでも一読の価値あり。科学が役に立つことを実証されている池谷さんに引き続き頑張ってもらいたい。

