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アイテム詳細

中島 由美

大修館書店

グループ:Book

ランキング:224187

価格:¥ 1,785

ポイント:17 pt

発売日:1997-06

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カスタマーレビュー

羊頭狗肉  (2006-05-04)
「ことば」「バルカン」「フィールドワーク」と、魅力的な語が列挙されていて食指をそそられる。
「ことば」について言えば、いくらかは役に立った。「フィールドワーク」については役に立つ向きもあろうが、いささか年代が古すぎる(「フィールドワークというのもおこがましい程度」とは著者自身の言葉)。
「バルカン」についてはお手上げ。著者がたまたまマケドニア語を研究するようになったきっかけは本書冒頭に読まれるとおり。あえて引用しないが、ただそれだけの理由だということは一読すればわかる。「バルカンなどという大風呂敷を広げ、大幅に脱線して」と正直に書かれているように、「言語地理学者」にとっての専門以外は門外漢、では話にならない。マケドニアが連邦から離れて独立を維持するに当たり、異質性の象徴としての言語を鍵としたという重要なくだりがあって、その辺りを敷衍してもらいたいのに話はそこでプツリと切れている。バルカン意識の明瞭な欠如。書名を「マケドニア」ではなく「バルカン」としたのは、売れ行きを考慮した編集者からの要請か。
著者は意図的に、くだけた文体を用いている。「堅い学問をしているわたくしにだって、こんなおもしろい文章が書けますのよ」とでも言いたいのだろうか。しかし、さしておもしろくもない体験を得々として語られると、読む側の心が引いてしぼんでしまう。「軽薄体」は特異な才能の持ち主だけが威力を発揮しうる特技であって、受け狙いはとりわけ教育者としてなすべきではない。
読み続ける気にならず、ひと月以上溜まったホコリを掃っていちおう読了したのは、次いでこのフィールドワーク・シリーズの先行著作に取り掛かるために他ならない。貴重なシリーズであればこそ無駄撃ちは禁物。

フィールドワークって面白い  (2004-02-19)
現地調査って膨大な手間がかかりそうでも、直接人間に会ってそこから引き出されたものが面白くないわけない。言葉があって生活があるのか生活があって言葉があるのか。うちの裏山を越えたら隣の国、といわれてもピンと来ない。バルカン地方とはそういうところなんだと考えさせられる。地域性とか民族というものを大切にするのはいいけど、極端は不幸の元。自分の足を踏まれたくなかったら隣人の足も踏まないように気をつけなくちゃね。

不思議な面白さ  (2001-12-13)
マケドニア語の先生が書いた本が、まさか面白いとは思わず手にした。マケドニア語もセルボ・クロアチア語も、おなじくスラブ語の仲間で、ロシア語に似ているらしい。ロシア語は多少聞き知っているが、魚が「リバ」(ロシア語はたしかリューバ)、友人が「ドゥルーク」なんてほとんど同じ・・。

「コルソ」という奇習?は南イタリアへ行った人の報告で聞いたことがあった。そこでは夜は若者が、昼はじいちゃん、ばあちゃんが何をするでもなく広場をうろうろすると言っていた。
バルカンはオーストリアとトルコの狭間でもあるが、スラブ民族と地中海文化の接点でもあるらしい。

こんなに言語まざりあい近しい状況では、なにを基準に民族を考えたら良いか頭を抱えてしまう。つくずくむつかしい地域だ。

生き生きとした描写に引き込まれました!  (2001-12-12)
バルカン半島のフィールドワークなんて、個人的には興味もなにもなかったのに、ふとしたきっかけで目を通したこの本。

著者の飾らない体験や感じたことの描写がそれはヴィヴィッドで、思わずぐいぐいと引き込まれてしまいました。

バルカンに私も行き、その場の空気を感じてみたい…そう思わせてくれた大切な一冊です。