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筑摩書房
グループ:Book
ランキング:45581
価格:¥ 756
発売日:1997-05
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なぜ「文章」であるのか。
(2008-11-18)
人間は、自らの思考を他人に伝えたいと思い、また他人を自らに同意させたいと思うのである。文章とは、それらの本能的欲望を成立させるための手段として厳然と存在する。
この本で学べることは、自分の考えをどう発想し、そしてその考えをどう他人の納得を得るようにさせるか、である。大学入試を突破するためだけの小手先の記述テクニックなどはなく(それが入試では有効であるのは否めないが)、発想という根源的な要素をこの本は盛り込んでいる。
何か湧き上がるものを心の内に感じた時、それを自分という存在に結びつける。そして、それを他者、ひいては普遍的な世界に結び付けて思考していく。こういった思考のプロセスが本質的な文章を記述するにあたって必要である。
なぜ、文章でなければならないのか。この本はきっとその問いにひとつの答えを示すはずだ。
教養を身につける第一歩
(2007-09-06)
この本は大学入試に対応できるようになるだけでなく、教養を身につける第一歩になると思います。
陳腐な例ですが、この本と併用して、ことばはちからダ!(河合出版)で知識を身につけ現代文と格闘する(河合出版)や教養としての大学受験国語(ちくま新書)などやれば、難関大に合格できるとはまでは保証できませんが、すくなくても教養はかなり身に付くと思います。
文章をただ理解するだけでなく、自分の思うところをきちんと文章化していく作業もまた教養だと実感させられる本です。一読する価値は絶対にあると思います。
考える力
(2006-09-17)
プレゼン本が大はやりである。
しかし、そもそも何が重要で何を訴えたいかがわかっていなければ、表現方法も的外れなものになるし、結果何も伝わらないということになる。
小論文に限らず、課題が与えられて、思考を「掘り進め」ようともせず、どこかから答えを持ってきたり、確信犯的に論点をずらしてもっともらしいことを書いておこうとする者がどれほどいることか。
この本では、「考えが深まってくれば、おのずと表現はわかりやすくシンプルになってくる。」「考えの筋道そのものの強靭さ」等の記述でもわかるように、上っ面の指導のみでなく、日頃の思考鍛錬が重要であることを説いている。
書いてあることは至極当然であるが、類書と比較すると「読み手に『誰でも』こう考えずにおれない」という論理があり、表現の一つ一つが練られている。紋切り型の「さあ考えよう!」というだけでなく(そんなことは皆わかっている。)、いかに思考を鍛錬すべきかについて触れるなど、一段深い記述である。
ただ、「小論文」論は格調高くなるほどと思わせるが、実際に小論文を書くことについてはいささか具体論を欠いている感もあるのが難点か。
とはいえ、小論文対策の高校生のみでなく、考えて書くことの必要な大学生、社会人にとっても有意義な本であると思われる。
文章を書きたいと思う全ての人へ
(2003-12-28)
現代は、一般人でも容易に文章を公開できる時代である。昨今では、久恒氏による“図解ブーム”による自己表現のヴィジュアル化が進んではいる。もちろん、そうしたヴィジュアル思考、右脳思考は現代人、とりわけビジネスマンにとって必須のものとなるだろう。しかし、図解は簡潔に相手に理解させることはできるが、人の心をうつことはできない。その人の心をうつための文章表現の技術、及びネタが本書にはちりばめられている。小論文というと大学受験や就職試験を思い浮かべる人が多いかもしれない。本書で扱っているのは主に大学受験の問題である。しかし侮ってはいけない。確かに、大学受験の小論文は文科系のネタが多い。アイデンティティや相対主義といった哲学的なネタが多いわけだ。これらは得てして実務的ではないと思われてしまう。しかし、こうしたステレオタイプに陥ってしまってはいけない。卑近な例で申し訳ないが、私自身の専門はマネジメント、とりわけe-マーケティングやストラテジーといった、本書の内容とは一見無関係に思えるようなものである。しかし、私は本書に多大な恩恵を受けている。文章を書くとき、久恒氏の主張するような図解思考や、トニーブザン氏の提唱する放射思考でまず全体の構図、アイディアをまとめるのが私の流儀である。しかし、これだけでは人に訴えかけることができないことが最近になってわかってきた。確かに、義務的な会社文のようなものは簡潔明瞭が大原則だが、例えばドラッカーやトム・ピーターズといったマネジメントの大家の文章は簡潔明瞭なだけだろうか。どちらも独自の文章的思考法により、味わい深い文章を書くことができたからこそ今日の彼らがいるのだと思う。本書は文章トレーニング教本としては極上のものだ。学生なら必ず、社会人の人でもぜひ手にとって読んでほしい本である。

