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筑摩書房
グループ:Book
ランキング:99145
価格:¥ 1,890
ポイント:18 pt
発売日:2008-06
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予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」
カスタマーレビュー ![]()
たかが経済と言える時代は当分きそうにないのだろう
(2008-10-18)
副題:誰が損をしているか?
初めに書いておくと、日本学士院賞を取った方と言うバイアスがある。
ノーベル賞と同じく長生きしないと取れないとも言われるこの賞を1961年生まれの著者が2008年に受賞。
さて、本書は日本経済新聞等に2005年から2007年の間に起こった経済関連の動きをコメントしたもの。さらに追記を加えて日本経済の問題点等を指摘している。
ただ、どうしても貨幣と言うものを評価基準にしているだけで、其処に哲学や思想、あるいは人間の豊かさとか幸福と言った文脈が見えてこないと思うのは小市民的発想なのだろうか。
盛んに制度の問題等を指摘されるが、なぜか身体性の欠如した脳化した社会だけが其処に見えてきてしまいます。
多くの賞を受賞したという「日本の不平等」を読んでさらに考えて行きたいと思う。
幾つか備忘録的にメモしておく。
「ねずみ講」的な公的年金制度。既得権益者(高齢者、団塊の世代)
格差という言葉(定義)の多義性と所得格差の日米間での認識差異
若年層の格差問題解決は教育改革と既存社員の賃金カット
既得権重視の政策重視は一時的に既得権者に幸福感を与えるが、結局は全員が被害を受ける。
悪玉論は心地よいが結局は一時的であり解決策にはなりえない。
理性から感情へは自らの自由を毀損していき、大衆迎合主義に支配される社会になる。
既得権を打破しないと若者の潜在力を発揮することは出来ない(赤木智弘氏の「丸山眞男」をひっぱたきたい、を例に)
奇妙な再分配を避けるには過去や他人との比較から逃れて、将来に目を向け、絶対水準でものを考えることが必要。
格差に関する実証研究の蓄積が必要である。
こういうスタイルの本は・・・
(2008-10-10)
本書を
お勧めしたい向きは、普段から、大竹氏の論調に関心があり、
まとめて、テーマ別・時系列的に読んでみたいと思う方だ。
お勧めしない向きは、そもそも過去に書き連ねた論文を
並べるという(直近の追加コメントはあるにしても)本の
作り方が嫌いな方だ。
私自身はいやしくも「本」として世に問うのならば、
最新のデータと論調を踏まえて、書き下ろすべきだという
考え方なので、大竹氏の個別の論点で傾聴すべきところは
あると思いつつ、「本」としての評価は低くなってしまう。
長期的且つ広範囲な視野で、今の判断をしているか?
(2008-08-18)
新聞・雑誌発表の各論者の言も参考にし、それに補足などして自身の論を構成し、各紙・誌に発表したコラムを書籍化したもの。
曰く
☆解雇規制強化は、正規・非正規労働者の双方に負担を与える。
☆評価システムは、非効率で暇な部門ほど優れた資料作成可能であり、当初の目的に反して、素晴らしく評価されるおそれがある。
☆年金制度を個人勘定の積み立て方式と、税によるセーフティネット方式に変えるべきだが、利得者たる高齢者の人口・投票率が多すぎて、政治家はそこに踏み込めない。
☆他国が既に行っているように、政府統計を研究者向けに公開して、世界の研究者の提言を、政策提案に利用すべし。
☆格差社会の出現は、年功序列システムの延命の為、各個人が自身の賃金を下ぬ事に固執するあまり、新規雇用を阻み、生産性弱者を排除することで発生した。
☆市場競争に関する既得権者と弱者の、規制緩和反対「共謀」
上辺でなく本質的な問題点に言及し、顕在化させた良書であり、2004年の文章もあるが追記でフォローされているのにも好感をもてたが、教育に関しては、具体論にまで及んでおらず、残念ながら☆1つ減点した。
経済学からの視点
(2008-08-16)
問題となっている格差とはどのようなもので、なぜ拡大し続けているのか。以外に知らないこれらの点を、経済学という観点から論理的に解説。他にも経済、社会保障といった分野も含めて総括に議論する。
「格差に対する規制強化はまったくの逆効果」「既得権層が弱者を利用する」など、注目すべき主張は多いのだが、いくつかの連載やコラムをまとめたものであるだけに若干まとまりに欠け、論点もぼけてしまっているのが残念。それでも本書の優れた視点は評価すべきだろう。
格差対策としての教育の内容と有用性が分からない
(2008-08-10)
帯にもなっているコラムには「学歴間賃金格差は高い学歴や技術を身につける行動の原因となるため、必ずしも悪いことではない。」という趣旨の記述がある。しかし「学校は人的資本を形成するのか?(齋藤経史)」が示したように高等教育がシグナリングにすぎない場合でも、悪いことではないと言えるのだろうか?
「まっとうな格差対策は教育・訓練しかありえない」「教育の充実こそ格差対策の本流」との記述があるが、筆者の考える教育の内容や有用性の論拠が示されていない。よって筆者の指す教育がどのような教育か?本当に有用なのか?を読者は考えることができない。
解雇規制や上限金利問題に関しては、具体的に二次的な帰結を示している。しかし、教育に関しては、かけ声だけに読めてしまうのが残念に思う。

