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アイテム詳細

本川 達雄

阪急コミュニケーションズ

グループ:Book

ランキング:188661

価格:¥ 1,680

ポイント:16 pt

発売日:2006-01-20

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年寄りが長生きする積極的な意味は、生物学的には見出せない  (2006-12-11)
「ゾウの時間、ネズミの時間」が面白かったので、
著者の本川氏の著作をいくつかまとめて手にとってみた中の一冊。
1996年刊の「時間」の再刊である。

「ゾウの時間、ネズミの時間」ではサイズの生物学というジャンルを日本に紹介しつつ、
動物によって流れる時間の速さは違う、という仮説を打ち立てたが、
本書ではこの仮説をさらに推し進め、社会学や経済学にまで「サイズと時間」の説明原理を
導入しようと試みている。

さらに「現代人は長生きしすぎている」という。

人間はサイズ的にいうと30年程度の寿命しかないはずの生き物だという。
それが80年も90年も生きるのはなぜか。大量のエネルギーを注入しているからである。
現代の日本人が使っているエネルギーは、体重にすると6トン。ゾウ並みだという。
ゾウの寿命は70年。
化石燃料を大量に消費することでゾウ並みの寿命を獲得しているのが現代の日本人である。

本川仮説は必ずしもそのまま無批判に受け入れられるものではないが、
説明原理としては、かなり納得させられてしまうし、
これまでの通念、常識を根底から覆すモノの見方であることは間違いない。

生物学から得られた知見でもって、
哲学や物理学の問題=時間論にアプローチする。ここが新しい。
高齢化社会への問題提起など、幅広い年齢層の知的好奇心をくすぐる内容である。
特に畑違いではあるが、フッサールの現象学に興味のある方にお勧めしたい。

ともあれ一読して決して損はない。

『時間 生物の視点とヒトの生き方 』NHK出版の焼き直しだけど  (2006-02-10)
 思いっきり内容をサマライズすると、生きている動物が感じている時間はエネルギー代謝を考慮しなければならない、ということ。

 本川さんの時間論でユニークなのはキリスト教的時間論は、生物学的な体感的時間を無視したものであるとしている点。確かに、体重あたりのエネルギー消費量が最も高い子供時代は、時間の流れが速く感じ、減ってくる老人は遅く感じるというのは納得的だ(p.141-)。だいたいそれは2倍程度だという。小学校の授業が45分、大学が90分なのも理にかなっているというあたりは見事。

 『ゾウの時間・ネズミの時間』でどんな動物も一生に心臓は15億回打って止まり、一生につうエネルギーは30億ジュールであるとし、サイズが大きくなればなるほど、心臓はゆっくり打つから寿命は長くなるとしていたが、その方程式によると人間の寿命は26.3歳。いまの日本のように平均寿命が80歳にもなってしまうのはナゼか、というのが本書の出発点だと思う。事実、日本人の平均寿命も室町時代ぐらいまでは33歳ぐらいだったらしい。これは非常に理にかなっている本川さんはいう。つまり、生物学的に生殖活動に参加できるようになるのはだいたい15歳で、その子がまた生殖活動に参加できるようになるまで育て上げるとだいたい寿命が来て死ぬ、と。