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東京創元社
グループ:Book
ランキング:174276
価格:¥ 924
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フランケンシュタインの城―意識のメカニズム (Mind books)
カスタマーレビュー ![]()
肉体と意志の関わりについての考察
(2008-01-18)
本書のテーマは「時間旅行」であると著者は述べている。ただしこの時間旅行はタイムマシンに乗って時間を移動するのではなく、ある種の精神的な努力によって過去の出来事を追体験するというものであるが。これによって主人公は知られざる人類の過去を洞察し、そこに関わった「大いなる古きものども」の存在に気付くようになる。
というのが物語の後半の筋だが、僕自身がこの本の主眼と見ているのは長い前半部分である。そこでは長寿についての著者の考えが充分に展開されている。即ち、肉体の瑞々しさはかなりの部分まで意志が前向きである事に負っている。そして意志が前向きであるためには、我々は「開かれた未来」を信じていなければならない。即ち、生は根本的に善いものであると感じさせてくれる「新しさ」の流入がなければならないのだ。我々が「老け込む」のは、年をとるにつれて意識が狭まり、次第に新しさを感じる度合いが減じていく事による。従って、もし意識を拡大する方法が見つかれば、「新しさ」の流入が途絶える事はなく、それはとりもなおさず長寿の秘訣を発見した事になるのだ。
身近な「老人」を観察すれば、この説の正しさが分かるだろう。彼らの中には肉体的に少なくとも中年には匹敵する者がいるが、そういう人は大概、頑張ろうとする意志が抜きん出て強く、態度が前向きである。
期待はずれ
(2007-09-01)
少し期待はずれ。前半の主人公の少年、青年時代の描写はうんざりした。後のストーリーに厚みを与えるため、にしては度が過ぎている。滅多にない事だが、途中で本を置きたくなった。
後半はさすがに、少しは面白く展開していくのだが、話が大きすぎてリアリティが薄く、今一つ乗り切れない。ラストも物足りない。本作が書かれた時期を考えると、少し厳しすぎる気もするが、期待していただけに落胆も大きい。
ただ、物語上の仮定である『価値体験』や脳の働きと老化との関係に付いての理論には、現実の話としても妙に惹かれるものがあった。小説の形はしているが、宗教書か哲学書の趣かもしれない。
SF作
(2007-04-18)
ウィルソンの初期SF作品。その殆どは思弁小説と言える思考実験小説である。大脳生理学が筋の多くを占めるようだが、理念、思考のあり方が大きく扱われている。観念、心の使い方を重視するウイルソンにとっては、どこまで想像力を駆使して人間の可能な姿を描けるかが勝負になっているようだ。確かアーサー、マッケンに、ラブクラフト批判をするならそれを超える作品を書いてみろといわれて本書は生まれたと記憶しているが、ウィルソンの当初の目的を超えたところまで、思念を及ばせているところがこの作品の成功になっていると思う。
孤高の一冊
(2003-11-22)
ちょっとしたことで凄くハッピーになる,ささいなことでブルーになる,それはなぜか?なぜいつも幸せでいられないのか?これが著者が生涯考えているメインテーマです。心の状態にはどうも性質のことなるいくつかの状態がある,それを自由にコントロールできれば人はもっと幸せになりいろいろなことを体験できるということです。このテーマで真剣に考えたいのなら著者の「アウトサイダー」また,突き詰めるのではなく,このへんの精神世界を広く考えたいのならケン・ウィルバーあたりをお勧めします。精神世界というと心理学,宗教っぽい話になりそうですが,ウィルソンの魅力はそういったものは,とうに消化しており,誰も行っていないところを探っている点にあります。この本は氏がまだ到達していないけれど,人間の心はこんな事も可能じゃないのか,人類にはこういうこともあるんじゃないのか,という話です。SFとかミステリーとかのジャンルを意識して読むのととまどいます。理解できないところは,こちらが未熟な可能性があります。10年おきに読んでも感動できる作品です。ひとつ残念なことは,この本に感動した人がこれに匹敵する作品を捜すのに苦労するということです。
天国へ行く方法
(2001-12-07)
これを手にすると人間をやめて神に近づける・・・
そんな憧れのアイテム、賢者の石がタイトルですが、この本はそんな子供の夢のような話ではなく、実際に精神的修練によって人は進化できるというコリンウィルソンの思想が小説として描かれています。
30年以上前の本ということで、印刷も古いし内容も退屈なところもありますが、天国への階段を上っていく様にはやはりすごく惹かれます。

