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PHP研究所
グループ:Book
ランキング:63450
価格:¥ 777
発売日:2007-07-14
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二分法の思考停止を超えて
(2008-02-27)
言葉は、二分法を基本性質とします。
つまり、あるものをAと名づけると、世界はAと
not Aの二つに画然と分けられる、ということです。
そして、そこに各人各々の価値判断が持ち込まれることで、
しばしば正否・善悪といったレッテル貼りがなされます。
本書の著者は、そうしたスイッチのON/OFFのように
シンプルな思考をする人々に対し、警鐘を鳴らします。
現実は連続的に変化するもので、一つの
「主義」で割り切ることはできません。
よって、あるものを否定するのと引き替えに、その反対物を
無条件に肯定するのは、怠惰で粗雑な思考に過ぎないのです。
我々はまず、自分達がもろもろの思想・考え方
の束でしかないことを認めなくてはなりません。
その上で、世の様々な「○○主義」の本質と限界を理解し、自分の中で、
それらの配分やバランス、位置付けを整理する作業をしていくのです。
そのことによってはじめて、自分が信用できる
思考と感情のありかたがつかめ、個としての考えを
取り戻すことができる、と著者は主張しています。
巷に溢れる主義を整理
(2008-01-19)
たしかに世の中ナントカ主義がいっぱい出回っていて、意味を調べることもせずに適当に流していることが多い。この本があれば、主義と主義の間の関係がなんとなく理解できる。関係性に興味をもち、自分はその中のどの主義でもないという姿勢自体が相対主義という主義にカテゴライズされてしまうらしいのだが、相対主義がいちばん普通の人の発想だというのは言いすぎでしょうか。いまどき少年漫画でも善悪の二分法で描かれた作品は少なくなっている。多様な価値観の軸の中でパラメータが分散しているという考え方をすればよいのだが、人間誰しも単純化してものごとを考えてしまうものなのである。
関係し合う「○○主義」
(2007-12-17)
「○○主義」「○○イズム」は、こんなにたくさんあるのかというのが、第一印象です。
その主義は、対立するものばかりではなく、縦横無尽に絡み合っているといるようです。
現代人は、分かりやすいということを求め、二者択一的な二分法である「あれかこれか」を選ぶことが自分の主張だと思っているフシがあります。
これに対して、いろいろな角度から解説し、ものごとを複雑に考えています。
おのおのの主義の対立関係、親和関係、類似関係など、意外な関係を知ることができます。
多くの「○○主義」を学びながら、自分はどの主義に当てはまるだろうと考えながら読むのもおもしろいと思います。
結局は個人主義・自由主義・相対主義の擁護?
(2007-12-09)
タイトルに書かれているとおり世の中に出回っている様々な主義・主張を予備知識をあまり必要とせずに理解させて頂ける「わかりやすい」思想の解説書とされていますが、原理主義者は皆「無教養」で「短絡的」な判断をしがちで、「虚無主義」に疲れた人々のなれの果てということになっていたり、はたまた、ほとんど無根拠に「立憲主義」を高らかに掲げ個人の自由の保障を絶対化している、誘導的な解説が所々に散見されます。そういった点に注意していれば大変有益な思想の入門書になるのではないでしょうか。
面白く読めました。
(2007-10-31)
リバリタリズムとリベラリズムとネオリベラリズムと・・・
古典主義とロマン主義と象徴主義と・・・
なんとなく日常生活でかなりの頻度で聞いているのに
ふーんという感じで全く通り過ぎてしまう○○主義の数々。
それをテーマごとに関連させながら述べていくのが本書。
まず秀逸なのは、著者が身近な例にそれらの主義を結び付けて述べていく点。
これがすごくわかりやすい。
たとえば功利主義の例では援助交際と結び付けて述べられていたり、
人は何で死んでいけないの?に対する答え方を共同体主義と結びつけていたり。
それらが我々の「なぜ?」とも結びついているために
抽象的に○○主義についての説明をされるような文章と比べて
わかりやすく、興味も持てる。
一つの主義に対する説明には確かにほとんど一ページチョイで語られていますが、
ふつうは一冊を要するこれらの説明に
それでも何となくわかった気にさせる著者の力量はすごいと思います。
確かに自分が知ってる主義のところはこれじゃ説明不足だろ、と感じた箇所も見られます。
でもそもそも、何十個もの主義を一冊の新書で語ろうとする試み自体無謀ともいえるものですから、
この内容は上出来ではないでしょうか。
導入として読むのもよし、確認として読むのもよし、
読みやすさからいったらそんな損した気分にはならない本であることは確かです。

