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有斐閣
グループ:Book
ランキング:591786
価格:¥ 1,785
発売日:1987-03
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カスタマーレビュー ![]()
ファシズムの日常性
(2001-12-10)
近年改めてその戦後処理のあり方が日本を比較されることが多いドイツ社
会。本書は、そのドイツ社会におけるファシズムのあり方を、労働者・青年・
農民など一般民衆の側から解明することにより、ナチズムとそれに基づく新た
な権力によって一元化され思想も行動も統制されていたとする従来の単純化さ
れたドイツ社会とその民衆像に疑念を投げかける。著者は、ナチス・ドイツと
それ以前・以後のドイツ史との断絶よりも連続性に着目し、ナチズムの「日常
性」に焦点をあてる。具体的には、近年の研究成果と新たな資料にもとづき、
職場や学校、地域社会といった日常な生活空間における人々のナチスの統治体
制への様々な対応を描き出すことによって、ナチス体制下のドイツ社会の多元
性や大衆が享受した「自由」など、戦前・戦中、そして戦後を貫く社会生活の
連続性を明らかにしてゆく。著者が示した新たなナチズム理解は、ドイツにお
いてもナチズムとその遺産は、単なる「過去」や他者に強いられた亡霊ではな
く、「現在」の一部を構成する日常であることを教えてくれる。
こうした歴史、生活の連続性に目を向けることによって初めて、現在の日本
の読者にとって、本書に限らず、ファシズムをめぐるドイツ社会の経験を知る
意義を明らかにすることが出来るだろう。換言すれば、本書が明らかにしたフ
ァシズム下の日常は単なる民衆のしたたかさを証明する一エピソードにとどま
るものではなく、我々が帰属する政治社会が生み出す帰結に対して自覚的であ
ることを求める「国民の責?」への普遍的なメッセージであり、我々の日常は
常に他者とも歴史とも無関係ではありえないし、半世紀前においてもそうであ
ったのだと。。。

