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晶文社
グループ:Book
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アクティヴィストとしてのテレサ・テン
(2003-11-27)
テレサ・テンと言えば、日本では演歌歌手のイメージしかないけど、アジアン・ポップスにはまっていくうちに、フェイ・ウォンを初め、いろんな人がカバーしているのを知って、それで改めて、アジアン・ポップスとしてのテレサ・テンを聞いてみたら、カバーしているどの歌手より、ずっとスィートなチャーミングな声で、やっぱり「アジアの歌姫」はこの人しかいないと思ったわけです。この本を読んで、さらにもう一つ奥にあったテレサ像が見えてきました。それは、国民党の軍人の娘として、台湾で生まれ、最後まで「一つの中国」を願ってやまなかった、現代中国、台湾史の登場人物としてのテレサ・テンです。天安門事件の直後、民主化を叫ぶ集会で、はちまきに、ポロシャツ、トレパン姿で参加した彼女は、甘い声の持ち主の「アジアの歌姫」とは別の顔を持ったアクティヴィストであり、そんなことまでしなくても中華という概念の共通のイコンとなることで、彼女は心の統一に貢献していただろうに・・・と痛々しくさえ感じました。自分の信念のために行動を起こす、純粋な人だったのだと思います。昨今の台湾独立へと向かう風潮と裏腹に、経済的には台湾は大陸なしには成り立たなくなっている。経済が、理念を凌駕したこの状況を、彼女だったらどう見るのか、知りたい気がしました。

