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日経BP社
グループ:Book
ランキング:160981
価格:¥ 2,310
ポイント:23 pt
発売日:2006-04-13
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カスタマーレビュー ![]()
やや、書き飛ばしの感じ。
(2007-10-16)
本書は、05年から06年にかけての日経BPのサイトで発表されたものをまとめたもので、
06年春に出版された。
さらに、一年以上経って現在の世状を鑑みた上で語るのもフェアでないかな、とも思うが、予想の
読み違い以上に気になるのは、緻密な氏らしからぬ安易な先入観を前提としているとおもわれる部分が
いくつかみられることである。
例えば、“日中戦争自体の中国の死者の数は60年代までは定説一千万人だった”としているが、
それが全て日本軍によるものと確認されたのだろうか。
もし、それが定説ならば、恐らく国共内戦での死者を含んでの数ではなかろうか。
しかしそれには触れず、ナチのホロコーストを引き合いに出しつつ、だから謝罪が必要だという
結論を導きだしているが、あまりに安易な比喩だし、結論だと思う。
郵政民営化は小泉首相による国家の解体と切売なのだ、など我が意を得ている部分も多いのだが、
残念なことである。
インターネットの気軽さとスピードによる安易な論調に見えるのだが、いかがか。
立花隆の発するシグナル。
(2007-03-21)
日経BPウエブページ「立花隆のメディア ソシオ−ポリティクス」2005年3月〜2006年2月に掲載された記事を項目ごとに編集しなおしたもの。今も連載は継続されているので、関心のある方はウエブページもご覧になることをお勧めします。以前にも週刊現代で「同時代を撃つ」という企画連載があったと記憶しているのですが、ほぼ同じ目的で、著者が様々なニュースに対してどのように見ているかを書き綴ったものです。「ライブドア事件」「天皇皇位継承問題」「小泉政権」「靖国問題・憲法問題」「イラク戦争」「耐震偽装事件」などに論が及んでいます。該博な知識を持つ著者がそれらの報道をどういう感覚で捉え、何を想像しているかを知ることでニュースを見る目が養われます。同時に事件の巨視的な分析が行われるので事件そのものの理解が深まります。小泉後継問題に関しては今の結果を知っている立場で言えば、流石の立花氏でも予測が困難であったことが窺い知れます。著者の予測と実際を比較すると政治に働いている力学が見えてくるかもしれません。小泉政権の功罪や憲法9条に対する考えなど非常に参考になりました。今の日本が歴史上相当危う場所にいることが察せられます。タイトルの「滅び行く国家」は読み終えて確かに日本は何か壊れかけているのではないかという感想を抱き重い気持ちになりました。この本を一言で言えば著者が日本国民に発しているシグナルだと思います。お勧めです。
知の巨人も未来予測は難しいのですね。
(2006-12-20)
2005年にウエブ版日経BPに掲載していた記事をまとめたもの。
ライブドア問題、小泉政権での郵政改革などに触れている。
ライブドア問題では堀江代表と闇金融との繋がりを予測しているが、今現在その内情は明からになっていない。またご自身でもこの本が出版されるにあたり、郵政解散、総選挙で小泉政権の敗戦を予測しているが見事にその予想は外れ、小泉大勝利となった事を述べている。
知の巨人と言われる立花さんでも、未来予測は非常に難しいという事なのだろう。
また女系天皇論を側室制度があった過去の事例を引き説明したり、憲法改正不要論を分かりやすく説明してくれている。
さらに小泉さんの靖国参拝を8月15日に日帰りで中国、韓国と訪問して戦没者を慰霊し、その足で靖国参拝すれば良いとする指摘は中々面白い。残念ながらこれは実現しなかったが。
立花氏の英断に拍手!
(2006-10-08)
この本は、日経BPのWEBページで連載されている「メディア ソシオ−ポリティクス」を再編集したものです。連載ではもっと幅広い分野のことを扱っていますが、この本では社会・政治・経済に重点を置いた編集となっています(メディアのことも入っているが、内容的には薄い印象)。WEBではその時々の社会的な話題が展開されているので、こうして流れを追って再編集されたものを読むと改めて立花氏の言わんとするところがより明確になった気がします。
扱っている話題は、ライブドアショック、女系天皇議論、靖国・憲法(主に第9条について)議論、小泉改革(というより小泉総理について)が主だったところ。
個人的には、天皇論も憲法問題に帰着しているので憲法論として良い気はしました。立花氏の、判例を含めた法律論と憲法が切っても切り離せないという解釈の中で憲法を語っている視点は、自分にとっては非常に納得感の高いものでした(これが許せない人も多いのでしょうけど・・・)。
それとこの本の醍醐味は小泉改革について語っているところ。書いた時点の予測(要はこの本で書かれていること)と現実は、結果的に大きく外れています。
しかしながら、それを掲載から外さすに、あえて載せていることは非常に勇気があり、かつ意義のあることだと分かります。書かれている予測も、その時点では色々な情報を分析した結果導き出したものであるはずですが、そこでズレが生じていることを一歩はなれた視点で見て、ズレ自体を見当してみることは非常に意義のあることに感じました。
欲を言えば、それについての論評を立花氏にしてもらえると良かったかなぁ。
この本では、色々な情報を分析して自身を持って予測・断言する形で立花氏らしい文章が展開されていて立花氏ファンを裏切ることはないでしょう。
読むのであれば、掲載されている事例の記憶が薄らいでしまう前の方が良いと思います。
ズバズバ外した予測をあえて晒すことの価値
(2006-08-14)
この本の出典となっているWebページ、「メディア ソシオ-ポリティクス」はなかなか面白い。著者も「はじめに」で触れているように、締切、原稿スペースといった既存メディアの条件に縛られない、Webの特質が最大限に活かされているのだ。締切、スペース以上に制約に縛られないのがその内容である。書籍に求められる信頼性、テレビの影響力といったものから、Webはまだまだ自由だ。立花隆クラスの大物が“書き飛ばせる”メディアであることが読者にとっても魅力なのである。既存メディアでは週刊誌が一番近いと思うが、さらにリアルタイム性が加わっている。昨日、今日の出来事を立花隆がどう読むのか、時々刻々と変わる情勢に対する分析、解読の“動いている”感じがいい。
こうして書籍としてまとまると、そうした魅力は半減するが、いかに立花隆が“書き飛ばしていたか”の物証としての価値は高い。ライブドアショック、衆院選、ポスト小泉...面白いくらいに立花隆の予測は外れている。腐しているのではなく、その時その時の状況判断に手を加えることなく、あえて書籍化した立花隆の英断に拍手を送りたいのだ。ほら、読んでるほうもWebで目を通したときは「ほほう、それ、あり得るね」くらいの軽い気持ち、野次馬気分で読んでた訳で。その時の世の中の“気分”を、こうしてストック化していくことって意外に大事なことだと思う。あの時はこう思いかねなかったという過去の記憶。人間って過去の誤り、過ちをどうしても合理化する訳だし。ばれなきゃいい、誤魔化せればいいってのが人情だし。すでに権威化しているジャーナリストがズバズバ外した過去の予測をあえて晒す、ってのは価値アリだと思う。逆説の逆説的な物言いになるが、立花隆の言説を鵜呑みにしちゃいけないってことでもある。特に、小泉という人間をまるっきり誤読し続けている点に関しては、はっきりバツを付けてもいいと思う。

