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日経BP社
グループ:Book
ランキング:16921
価格:¥ 1,890
ポイント:18 pt
発売日:2008-09-10
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本書をきっかけとして、天然ガスの重要性の理解が進むことを願いたい。
(2008-11-09)
本書は、「天然ガス」の地球環境問題やエネルギー安全保障への知られざる優れた点を解説している。
地球温暖化に対して環境に優しいとされるバイオ燃料は、生産工程や輸送運搬そして発酵過程に石油が必要とされる。さらに、畑からは肥料の腐敗などによりCO2のほか、二酸化炭素の100〜300倍もの温暖化効果のある一酸化二窒素が生成されるという。
これと比較して、天然ガスは化学的に見ても主要エネルギーの中で炭素原子が最も少なく、CO2削減効果は、バイオ燃料とほぼ同じであり、食料との競合問題から見てもこれからのエネルギーとして天然ガスが適しているという。
なお、本書ではじめて知ったのであるが、水力発電は地球に優しいクリーンエネルギーといわれているが、雨が降った後に河川から大量の有機物を含んだ土砂を嫌気性バクテリアが分解してメタンガスが発生するという。何と、水田も同様にメタンガスの発生源という。
地球温暖化への取り組みは、CO2の削減だけではなく、もっと様々な観点から考えなければならないと思う。
また、本書は天然ガスをめぐる国際政治情勢にも詳しい。興味深いのは、ロシアとEUの間のパイプライン貿易である。ロシアが供給をカットすればEU側は直ちに代替手段に移るであろうし、その場合外貨収入の3分の1に上る天然ガス収入がなくなるロシアにとって大きな打撃になる、という相互関係が成り立っているという。さかのぼれば、ソ連時代に天然ガス貿易によって西欧と切っても切れない関係となったことにより、ベルリンの壁崩壊につながったとしている。こうした関係は、国際政治の安定化にもつながっているわけである。
アジア太平洋地域や極東ロシアも含めて日本周辺には、大量の天然ガス資源があるという。
その一方で、日本は世界の主要天然ガス消費国に比べてガスパイプラインの整備が著しく立ち遅れているという。一方、韓国ではすでに全国規模のパイプラインが完成している。
日本にとって、これからのエネルギーを考えた場合、「天然ガス」がいかに重要なものとなる可能性があるのか、そして、いかに我々が知らなかったのか考えさせられた。本書をきっかけとして、天然ガスの重要性の理解が進むことを願いたい。

