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スカイライト コンサルティング

英治出版

グループ:Book

ランキング:3520

価格:¥ 1,995

ポイント:19 pt

発売日:2008-04-22

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カスタマーレビュー

後だしジャンケンという自覚がない  (2008-08-07)
典型的な「後だしジャンケン」。Aを選んで失敗した企業に、後から「あそこでBを選ばなかったから失敗した」と言っているにすぎず、「あそこでピッチャーを替えたから打たれた」と居酒屋で言っているのと同じ構造。失敗した後から評価するのは誰でもできるが合理的に未来を予測することはできない。20年後の市場環境を誰が正しく予測できるだろう?ブームが一過性なのか大きな変化なのかどう判断するのだろう?予測は当たりもするしハズレもする。当たったものが合理的で、ハズレたものが非合理的だという分析は単なる後付けだ。原油が高騰すると著者も予測していなかっただろうが「GMは早くから電気自動車を開発しておくべきだった」と言っているわけで、もし原油が下落していた場合、著者は間違いなく「無謀な電気自動車開発でリソースを食い潰したトヨタの驕り」と言うだろう。
本書は組織の7つの症状から企業の自滅を分析するが、根本的には「成功体験にしがみついて、市場や顧客の変化を読み誤った」というテーゼを7つの言葉で表現したに過ぎない。では肝心の市場の変化を見誤る原因は?一方ではトップがワンマンで人の話を謙虚に聞けないことが原因だといい、一方では官僚的意思決定が原因だと言う。ワンマンでも官僚的でも成功もあれば失敗もある。失敗した原因を後からわかりやすい組織論と結び付けるのは分析ではない。
例えば「コアコンピタンス依存症」。多くの人が家で裁縫しなくなったのにシンガーミシンはミシンを売り続け、レゴは多くの子供がコンピュータゲームに流れたのに対応できていない、と。対処法としては、コアコンピタンスの「新しい用途をみつける」や「新しいコアコンピタンスを開発する」などだそうだ。そりゃそうだろう。ビジネスエッセイならこれでいいのだが、「分析」なら内容は薄すぎる。「傲慢」や「慢心」が企業を蝕むと言うが成功していれば「自信」や「誇り」と言うのだろう。要は「ケース・バイ・ケース」であり、同じことをしても成功も失敗もする。本書が示すような単純な処方箋は、現実にはない。冷静に読めば、自滅を防ぐことがいかに困難か、また「あの企業は成功で傲慢になった」と訳知り顔で分析することがいかに「傲慢」かわかる、という意味で謙虚になれる一冊。

潰れる原因の処方箋明記が評価できる  (2008-07-12)
米国を代表とする優良企業の衰退を原因別に考察,そこでの処方箋を議論している.ここに取りあげられた自滅する代表的企業は,まずは IBM, DEC, Intel の 3社,その原因の根本はリーダーシップの欠如であるとの主張ではある.そういってしまうと話はつづかなくなるが,この書籍では自滅する原因を詳細に 1.現実否認症 (神話,定石,正当という呪縛),2.傲慢症 (おごれる者は久しからず),3.慢心症 (成功は失敗の始まり),4.コア・コンピタンス依存症 (諸刃の剣),5.競合近視眼症  (忍び寄る伏兵),6.拡大強迫観念症 (右肩上がりの幻想),7.テリトリー欲求症 (コップの中の縄張り争い) の7つに分類して,個々に事例を取り上げて考察している.

この研究書籍の特徴は,ケーススタディーと言える事例が多く示されていること(ちょっとかったるいところは否定できないが).米国人研究者の書籍が故に主に米国でメジャーな会社が取り上げられているが,ここでの分析は日本の企業に当てはめていくことも十分可能である.というよりもぴったりと来る自滅しつつある企業が多いような...気もする?

優れた点は,自滅する原因に対して症状を示し,処方箋を議論している点であろう.あまり具体的とも言い切れない,それほど効果的な処方箋とは云えないまでも,それを列記している点は評価できると思う.こういう記述は結構しにくいモノだから.

380ページの大作,読みごたえは十分にある.

潰れそうになったことのある会社の従業員には身につまされる本です。  (2008-06-20)
著者は米国の学者なので、当然本書に出てくるケーススタディは米国の企業が中心となっている。従って日本企業と比較すると少し環境や企業文化の違いから他人事のように感じるかもしれない。
しかし、著者が主張しているのは、大なり小なり成功した企業組織に起こりうる「習慣病」をいかに早期に察知し、自らが処方箋を作って対処できるかという点である。
世に数多の企業経営に関する教科書があれど、縮小、倒産する企業が後を絶たないのは、企業経営を教科書どおりに行うのは普通にやっていては殆ど不可能であることを物語っている。まさに偶然によって成功し、必然によって失敗していると言えるだろう。
本書で述べられている7つの習慣病に関して、自分の勤めている会社あるいは就職しようとしている会社を診断してみるのもおもしろいだろう。

おごれる企業は久しからず  (2008-04-27)
ある章の見出しに「おごれる者は久しからず」とある。
まさに、盛者必衰、平家物語の世界だ。
この本には、とりたてて難しい理論が書かれているわけではない。
多くの企業の実例を丹念に調査し、「ふつうの考え」で分析している。
だからこそ、恐ろしい。人ごとには思えない。
人は、いや、企業は、必然的な理由で失敗し、偶然の理由で成功する。
その偶然を自分たちの手柄だと思いこむところから、企業の衰退が始まるのだ。
では、企業が健康体で長寿を保つためには、どうしたらいいのか。
そのあたりの具体的な処方箋もきちんと掲げているところに好感が持てる。