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国際情報社
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万葉の花にこめた心
(2008-03-07)
どんな花が万葉人の観賞の対象になったのか、また万葉人に喜ばれたのか、と言うと、その歌数だけでは判定できないとは思うが、試みに『万葉集』に現れた花とその歌数を見ると、
萩(141)梅(118)橘(68)薄(46)桜(40)くれなゐ(29)藤(27)撫子(26)卯の花(24)葛(18)山吹(17)女郎花(14)馬酔木(10)躑躅(10)椿(9)
概して観賞の花は、山野の花を中心にしたものであるが、その頃渡来した花には、特に珍しさと愛玩の態度を示している。また、全体としては草花よりは、木性の花が多い。
万葉人の見る目は、花は友だちといった一体観で、その花に季節を知り、その花に恋の心を歌い、思いを寄せている。この寄物、いわゆる「寄物陳思」というのは、わが国特有のもので、万葉人の考えた特殊な和歌の技法ということができる。
本書『万葉花譜』は、、このような万葉人の鼻に対する態度を伝えるために、花を四季に分けて春・夏、秋・冬の二巻にしている。
わらび(蕨)…石ばしる垂水の上のさ蕨の萌え出づる春になりにけるかも(志貴皇子・巻8ー1418)まことに明朗な調子の満ち満ちた歌で、春浅い頃の垂水の丘が目に浮かんでくる。
むらさき(紫草)…紫草のにほへる妹を憎くあらば人妻ゆゑにわれ恋ひめやも(大海人皇子・巻1ー21)紫色のにおうような美しいあなたを恋い慕う故に、人妻であっても…と篤い気持ちを披瀝している。

