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カスタマーレビュー ![]()
コンピュータを日常生活向上のための適切な道具にするためには
(2006-04-19)
アメリカ計算機学会の論文誌の特集「Computer Augmented Environments: Back to the Real World」の訳である。拡張現実(Augmented Reality)に関する研究について示したものである。拡張現実は仮想現実(Virtual Reality)と対照をなす概念である。仮想現実が人間を仮想の世界に置くことによって情報にアクセスしようとするのに対し、拡張現実は現実世界の環境をコンピュータによって拡張、強化しようというアプローチを取っている。仮想現実はコンピュータ画面から仮想的な現実へと人間を解放してくれるかもしれないが、かえって現実の世界からは引き離されてしまう。拡張現実は、これとは反対に、実世界の日常環境にコンピュータの機能を融け込ませようとしている。これが、副題となっている Back to the Real World の意味する所である。
本書のイントロダクション部分に次のような記述がある。"近年、この研究は電脳環境や強化現実などと呼ばれてきた。それぞれは技術的な面では異なるものの、実世界を第一に考え、我々の日常生活を向上させるために適切な道具を作る、という共通の哲学の上に成り立っている。" 引用に示されているようにAugmented Reality は一つの哲学である。本書が示しているのは研究内容そのものだけでなく、哲学を持つことの大切さであるように思える。

