相互リンクしていただけるサイト様を受付中

相互リンクもっと

長年の信頼と運営実績。探したいサイトが見つかるサーチエンジン

アイテム詳細

渡辺 京二

弓立社

グループ:Book

ランキング:200355

価格:¥ 2,940

ポイント:29 pt

発売日:2004-02

通常24時間以内に発送

このページのURLは
http://linkmotto.com/a/asin/Books/4896674014/

この商品を買った人はこんな商品も買っています。

江戸という幻景

逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)

なぜいま人類史か (洋泉社MC新書)

近代をどう超えるか―渡辺京二対談集

北一輝 (ちくま学芸文庫)

カスタマーレビュー

「日本人論」を語ることの意義と限界  (2005-09-17)
木村尚三郎が『歴史の発見』(中公新書)で述べているように、歴史上のできごとには常にそれを成立させる背景が存在する、ということをあらためて認識させられます。例えば、戦国時代における農村の自律的な運営形態は、その時代の日本人が自由で独立志向だったとかいうことではなく、絶対的な法的権力の不在により自己防衛を余儀なくされた状況下で必然的に発生したものだった、という背景をくっきり描いています。現代に住む我々は、つい我々自身の置かれている状況を普遍化し、そこから色眼鏡をかけて歴史を眺めてしまうのではないか。偏った歴史観に立脚することにより自分の都合の良いように解釈し、都合の悪い事象を捨象してしまう、「確証バイアス」ともいっていい行為をついやってしまう。著者はそうした歪んだ姿勢に対して鋭い突っ込みを入れており、例えば中世史の権威である網野善彦のマルクス主義的な学説に真っ向から勝負を挑む姿勢、その小気味よさに興奮します。

今さらながら感じさせられるのは、日本人という存在が歴史上数度、思いっきり変わっている、という事実です。戦国時代の日本人は江戸時代の日本人とはまるで違う民族であり、ましてや現代に生きる我々ともまた全く異種の人々である、という指摘は(バイアスの少ない)傍証と論理に裏打ちされており、唸りました。だからこそ、日本人とは昔からこういう人種だ、と決めつけることの愚かさを認識できるし、これから我々は環境にどう規定され、それにどうチャレンジしていくべきなのかを考えさせてくれます。

著者の初心を貫徹したみごとな作品  (2004-06-13)
『いまなぜ人類史か』や『逝きし世の面影』に続いて、著者がどこに向かうか、『小さき者の死』以来、著者の足跡を追いかけてきたものとして、興味津々である。

本書は、歴史学の成果の膨大な森の中を渉猟して、著者のリアリティをもてる像を紡ぎだしたものといえよう。序章「アーリイ・モダン」から終章「日本近世は何を護ったか」まで、よくここまで調べて書いたな、と感心しつつ、読んだ。もちろん、個々のテーマに関しては、いろいろな異見が出されるだろうが、基本的には説得的である。

何が、著者をここまで歩ませたのか。著者は「人類の未来がヴァナキュラーな価値の再建という一点にかかっている」と言う。そして「徳川期の国家は・・・国家領域における統合を通じて産業と商業の全般的な繁栄をもたらしながら、人びとの自立・自存の基盤、イリイチ風にいうとヴァナキュラーな社会的「共有地」(コモンズ)に干渉せず、しかも土地と労働の商品化を阻止した」と見ている。
つまり、人びとの自立・自存の基盤を殲滅した近代主権国家以前の徳川の平和を成り立たせた歴史の「苛烈な道程」を読み解くために本書はどうしても書かれなければならないものだったと言えよう。

ここまで読むならば、著者の第一作たる『小さき者の死』のモチーフそのものが、著者を本書に至るまでの「苛烈な道程」を歩ませたことが見えてくる。
多くの読者にひもといてもらいたい本である。