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アイテム詳細

町山 智浩
柳下 毅一郎

洋泉社

グループ:Book

ランキング:48325

価格:¥ 1,575

ポイント:15 pt

発売日:2002-05

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カスタマーレビュー

『チャーリーズ・エンジェル』12時間観るのは、ワタシにはキツイです  (2007-07-15)
 イーストウッド作品を貶した回に、ウェインの「蓮實重彦かぶれのイモども」発言(p136)がある。ウェイン&ガースの青春時代はハスミ派の全盛期だったはずで、やっぱり意識してるんだよね(当たり前か…)。
 で、2人のスタンスを考える上で、ガースの旧著『興行師たちの映画史』が参考になる(実はまだ積ン読なんですが、タイトルがね)。つまり映画トハ興行デアル、と。蓮實本人はともかく、ま、蓮實フォロアーには確かにその線は弱かった。
 もう1点。俳優を評価するとき、ウェインはしばしば実人生と映画での役歴を混同する。例えば「実際に幼い頃に父親に家出されて、14歳の頃から道端で客取らされて、酒場で輪姦された」ジョディ・フォスターが『羊たちの沈黙』でクラリスを演じてるのはスゴイ、とか(p256)。もちろんガースがすぐにツッコミ入れるワケだけど、ウェインはおそらく、驀進してくる列車の映像に逃げ惑ったという、あの映画史初期の神話的観客を擬態している。そしてこの観客は現在なお、最も素朴な大衆的感性として生き残っている。蓮實は明らかにこの問題に意識的だったけれど、ウェインほどに過激に大衆を擬態することはなかった。
 本書中には、ガースと青山真治のイザコザが報告されているが(p245)、これも上記のような伏線あってのことだろう。『チャリ・エン』なるバカ映画(ただし、興行的によく計算された)がキッカケらしいという点も、何だか意味深(p240)。
 私は『ユリイカ』も好きだけど、青山がガースを「下衆」呼ばわりしたのは明らかに悪手。だってウェイン&ガースは、自ら下衆道を極めようとしているんだから(ただし最近のウェインには転向の兆しも見える)。

大作バカ映画の正しい見方  (2003-11-14)
バカな映画をドブに捨てる前に、そのバカさ加減をどうやって楽しむのかを教えてくれる「映画漫才」本。
基本的には映画製作者の無知蒙昧っぷりか、その映画をほめそやす評論や観客の無知蒙昧っぷり、もしくはその双方の無知蒙昧っぷりを徹底的に痛烈に批判しているのですが、批判されている映画はどれも批判されてしかるべき映画ばかりです。

とても面白い一冊です。俎板に載せられた映画のファンはどう思うか判りませんけど。

いい…至極いい  (2003-06-24)
 この2人の著書は良く読ませて頂いているが…
天下無敵の駄目映画を自分の中で
「もう1回観てみよう」
と思わせる、視点の提示にはいつも感心させられる。
例えば、「某五つのえれめんと」なんか、金返せと
スクリーンに、大声で喚きたくなった映画の一つだが
2人のネジくれた映画評を見ると、無知で無学な自分

が悪いんだと、勘違いさせてくれるから不思議だ。
まだまだ、自分には映画への博愛の精神が足りないと
思っている人には、ぜひ一読する事をお勧めする。
普通に映画が観たい人には、悪書以外の何物でも無い。
バーホーベン マンセー

笑いました  (2003-04-04)
 ハリウッド大作に対するこれでもかというほどの罵詈雑言にまみれた本ですが、決して理不尽な批判ではないと思わせるだけの知識量に裏打ちされているなかなか面白い本です。最近のハリウッド映画の多くが、昔の映画のパクりに満ち満ちているという様子を、その昔の映画のタイトルを山ほどあげて説明しています。まぁ世に言うところの映画オタクの薀蓄満載本なのでしょうけど、結構笑わせてもくれまして、楽しく読めました。

 でも取り上げられている映画をよくよく見ると、批判しやすい映画を批判しているという気もします。それともこの本で批判されている映画って世の中では案外高い評価を受けているのでしょうか?「スフィア」「アルマゲドン」「ロスト・イン・スペース」「フィフス・エレメント」ハリウッド製の「ゴジラ」「ミッション・トゥ・マーズ」…。こんな映画、ほめる人がそもそもいないんじゃないでしょうか。読んでいてなるほどと私を思わせるほど鋭い指摘が出てくる作品は「千と千尋の神隠し」「トゥルーマン・ショー」くらいかな。

 いや待てよ、批判されている映画は内容は薄くても興行的には成功の部類の作品ばかりだから、この本が批判の対象としているのは作品そのものよりも、こんな映画を見に行く日本人自身なのかもしれないですね。

権威に負けずに映画を鑑賞しよう  (2003-02-04)
『千と千尋の神隠し』を観た時、「湯女」の色気が気になっていました。「湯女」には「風呂屋に奉公し、客の身体を洗い、また色を売った女」(『岩波古語辞典』)という意味もあります。まあ今で言う「ソープ嬢」でしょうね。宮崎アニメだから、それはないかな、と思っていましたが、この本でズバリ指摘されていて、我が意を得たりと思いました。私など、映画の知識が乏しいので、この本の情報量の多さにまず圧倒されましたが、なにより元東大総長系の映画批評の権威をものともせず、まさに歯に衣着せぬ辛らつな映画評のオンパレードは痛快です。